下値も堅く、しばらくドルは強保ち合いか
〇本日のドル円、当初ドル買い先行で146.40レベルへ上昇するも、一時146円割れまで下落
〇短期的にはドルの上値が重そう、ドル高の再進行となるならばジャクソンホール会合後か
〇ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長と植田日銀総裁の発言を中心に、思惑が交錯する可能性
〇ドルは想像以上に底堅く、145.00-146.50レンジでしばらくはドル強保ち合いか
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.20-146.40、ドル高・円安方向は昨日高値146.40が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値も近い145.75レベルの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場はドルが小安い。前日回復した146円台を維持できず、わずかながら割り込んでの推移となっている。
ドル/円は146.20円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行で146.40円レベルまで値を上げた。しかし、徐々に値を崩すと一時146円割れまで下落。そのなかで、「岸田首相と植田日銀総裁が会談を行った」との報道が観測され、思惑を呼んでいたという。いったん持ち直すもすでに上値は重く、146円台に定着することは出来なかった。終盤は146円挟みの推移をたどるなか、16時現在では145.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、恒大集団による「NYでの連邦破産法適用申請」を受けた不動産リスクや景気低迷懸念などが取り沙汰されるなか、米紙WSJが「中国の若者失業率公表停止は、好ましくない統計を隠す専制国家の戦略に合致」と報じ一部で話題になっていたようだ。そうしたなか李強首相は、北京を訪問中の米中ビジネス協議会代表団幹部に対し、米中の二国間関係と経済貿易協力は困難に直面しているとの認識を示したと伝えられている。
対して後者は、日本の海上保安庁が、北朝鮮から「人工衛星」を24-31日のあいだに発射するとの通報があったと発表し思惑を呼ぶ。今年5月に失敗した「軍事偵察衛星」の再発射とみられるという。それについて、岸田首相が「衛星打ち上げを目的としたものであったとしても、弾道ミサイル技術を用いた発射は関連する安保理決議違反」と述べるなど、強い非難の姿勢をみせている。一方、それとは別に朝鮮中央通信が、米韓軍事演習や日米韓の3ヵ国会談を非難する内容を示したほか、国内の大規模冠水受け金総書記が「金徳訓首相には無責任な態度と思想があると」して問責の検討を指示したと報じられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週末に一時145円を割り込んだこともあり、しばらくは調整が続くと予想していたのだが思いのほか浅押し、かつ短期間で終了した感がある。ただ元のドル高基調に戻ったというのは早計で、やはり短期的にはドルの上値が重そうだ。仮にドル高の再進行、先日高値146.56円を超えていくような展開は、ジャクソンホール会合後と思われる。
日米金融政策への関心が依然として高いなか、今週は24-26日に予定されているジャクソンホール会合にまずは注目。そのなかでも、もっとも注視されているのは25日のパウエルFRB議長講演だが、市場では同会合に初参加する植田日銀総裁の発言を警戒する声も少なくない。いずれにしても、今週末にかけては両氏の発言を中心に思惑が交錯、相場が波乱含みの展開をたどる可能性もありそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は調整の入る展開を予想していたのだが、肩透かしを食った格好。ドルは想像以上に底堅かった。チャートを見ても、先週15日以降しっかりと145円を下回ったことはない。
しかし、一方でドルの上値も重く勢いに任せたドル高も予想しにくい。とするなら、145.00-146.50円といったレンジでしばらくはドル強保ち合いか。
本日は米経済指標として、7月の中古住宅販売件数や8月のリッチモンド連銀製造業指数などが発表される予定となっている。またボウマンFRB理事なども参加するシカゴ連銀主催の討論会が開催される予定で、そちらを警戒する向きもあるようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.20-146.40円。ドル高・円安方向は昨日高値の146.40円が最初の抵抗。抜ければ146.56円が抵抗に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い145.75円レベルの攻防にまずは注目。下回ると144.93円が視界内に捉えられるが大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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