東京市場は146円台でのもみ合い、「タカ派」を織り込み先走るか?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米10年債利回りの拡大を背景に146円台前後で推移した。
昨晩の海外時間では、米国10年債利回りが4.36%まで拡大。16年ぶりの水準まで金利が上昇したことで、ドル買い優勢の展開となった。一方、日本の通貨当局による円安けん制発言及び為替介入への警戒感が重しとなったことから、8月17日の年初来高値146円57銭手前で、ドル買いは一巡した。
東京時間では、新発10年債利回りが0.66%と2014年1月以来の高水準となったこともありドル買いは一服した。ただ、「週後半にジャクソンホール会合を控えていることから、日本の通貨当局は介入実施には動けない」との見方も根強く、じり安の展開は回避された。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円19銭
高値:146円41銭
安値:145円84銭
終値:146円09銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円30銭
高値:159円49銭
安値:159円18銭
終値:158円31銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円75銭
高値:93円86銭
安値:93円59銭
終値:93円72銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:186円50銭
高値:186円77銭
安値:186円33銭
終値:186円55銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31792円60銭
高値:31906円10銭
安値:31693円76銭
終値:31856円71銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
20時30分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁の講演
23時00分、米、中古住宅販売件数、前回:416.0万件、市場予想:414.0万件
23時00分、米、リッチモンド連銀製造業指数、前回:−9.0、市場予想:−10.0
27時30分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がイベントで挨拶
28時30分、米、ボウマンFRB理事とグールズビー・シカゴ連銀総裁が討論会に出席
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、7月14日に100日MA水準から反発。6月30日の高値145円08銭と8月3日の高値143円90銭を結んだ上値抵抗ラインと、7月14日の安値137円24銭と7月28日の安値138円07銭を結んだ下値支持ラインによる三角保ち合いを上放れている。日足の一目均衡表でも、雲上限(141円06銭)を上放れていることから目先のトレンドは強い。
米国長期金利は既に25日(金)23時から行われるジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「タカ派」な発言を行うとの見方を強めているようだ。先週公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨で、「インフレに著しい上振れリスクがあり、金融政策の追加引き締めが必要になり得る」と当局者の大半が認識していたことが明らかとなったことも「タカ派」の背景にあるのだろう。
さすがにパウエルFRB議長の講演前に年初来高値146円57銭突破を仕掛ける強気な市場関係者は少ないと考えるが、日本の通貨当局が介入に対して積極的に動きにくいことは織り込まれていると推測する。実際、8月15日の鈴木財務大臣の発言以降、政府高官からの目立った発言は聞こえておらず、口先介入すらできない状況にある。やはり、介入実施への大義名分が不足しているのだろう。もしかすると、パウエルFRB議長の講演前に、ドルは勇み足で年初来高値を更新する可能性もあろう。
今晩の海外時間では、年初来高値近辺では上値が重くなると考えるが、仮にこの水準を上抜けた際は一気に147円手前まで買われる可能性はある。上値メドは年初来高値より少し上の146円80銭、下値メドは145円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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