ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出せず。ジャクソンホール会議を控えた様子見ムードが継続か(8/23朝)

ドル円は一時145.49まで反落する場面も見られましたが、引けにかけて146円前後まで持ち直す動きとなりました。

ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出せず。ジャクソンホール会議を控えた様子見ムードが継続か(8/23朝)

ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出せず。

〇ドル円、欧州朝方に145.49まで下落後145円台後半に反発、方向感見いだせず
〇ユーロドル、米長期金利上昇等に米国時間に1.0833まで急落、頭の重い展開
〇ドル円、ローソク足が主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレード継続期待など、ドル円相場上昇材料揃う
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.25ー146.50

海外時間のレビュー

22日(火)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感を見出せず。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)日経平均株価の底堅い動きが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値146.41まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)円金利上昇に伴う円買い圧力(本邦10年債利回りが2014年1月以来の高水準となる0.66%へ上昇)や、(4)植田日銀総裁と岸田首相が会談を行うとの一部報道(※会談後に植田日銀総裁より「為替市場の変動については特に議論はなかった」との発言あり)、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力、(6)重要イベント(ジャクソンホール会議)を控えたポジション調整が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値145.49まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)米長期金利の反転上昇(米2年債利回りが7/6以来の高水準となる5.04%へ上昇。米10年債利回りが2007年11月以来の高水準となる4.36%へ急上昇)や、(8)リッチモンド連銀バーキン総裁による「インフレ率が高止まりし、需要がインフレ低下の可能性を示す兆候を示さない場合、金融政策の引き締めが必要となるだろう」とのタカ派的な発言、(9)米8月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲7、予想▲10)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間8/23午前4時55分現在)では、145.88前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日発表された米7月中古住宅販売件数(結果407万件、予想415万件)は市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。

22日(火)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)欧州株の堅調推移や、(2)ECBによる金融引き締め長期化観測、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0931まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米長期金利の反転上昇や、(5)リッチモンド連銀バーキン総裁によるタカ派的な発言、(6)米8月リッチモンド連銀製造業指数の市場予想を上回る結果、(7)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(ドイツ10年債利回りは2.70%から2.63%へ急低下)が重石となり、米国時間朝方にかけて、約2カ月ぶり安値となる1.0833(6/15以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/23午前4時55分現在)では、1.0845前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時145.49まで反落する場面も見られましたが、引けにかけて146円前後まで持ち直す動きとなりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していること(ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいること)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強い(下値余地は乏しい)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(CMEが提供するFedWatchツールによると、次回9月FOMCでの25bp利上げの織り込み度合は1週間前の10%から15.5%へ上昇)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(日銀は指値オペを通じて円金利の上昇を抑制するスタンスを明確化)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの継続期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

中国経済を巡る先行き不透明感(リスク回避の円買い要因)や、政府・当局による介入警戒感(ドル売り要因)の影響は限定的と見られることから、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米8月製造業・非製造業PMI速報値、米7月新築住宅販売件数などが予定されていますが、8/24ー8/26の日程で開催されるジャクソンホール会議(カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム)を前に様子見ムードが広がりやすく、ドル円はアジア時間・欧米時間共に方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです(ロング・ショート共にポジションをとりづらくなるため、全体的に動意に欠ける値動きが続く見込み)。

本日の予想レンジ:145.25ー146.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、振れを伴いつつも方向感を見出せず。

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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