ドル上昇一服も足もとは時間調整継続か
〇本日のドル円、145.15-65の50ポイント弱のボックス相場に終始
〇先週8/17の146.56で目先のトップを付けしばらくは次の方向性を探る展開か
〇ジャクソンホール会合での8/25のパウエルFRB議長の講演がもっとも注視される
〇ドル高・円安方向は東京高値145.65レベルや145.75前後の攻防に注目、上値は重いイメージ
〇ドル安・円高方向は、先週末安値144.93が最初のサポート、下回ると144.40-50を目指す
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.80-145.90
<< 東京市場の動き >>
週明け21日の東京市場はレンジ取引。145円半ば挟みの一進一退で、明確な方向性も乏しかった。
先週末は、ワシントンで日米韓首脳会談が実施されたことに続き日米、米韓などの首脳会談も別途観測されている。一方、米国で破産法の申請を行った中国恒大集団だが、「海外の債務再編を進めるための正常な手続きの一部だ」などと主張、物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は145.40円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。145.15-65円という50ポイント弱のボックス相場に終始している。時間外で取引された米長期金利の動きなどに一喜一憂しつつも、明確な方向性はうかがえず。今週は週末にかけてジャクソンホール会合という材料が予定されていることもあり、積極的な売買は見送られていた。16時現在では145.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、恒大集団が「NYで連邦破産法15条の適用申請」したこともあり、中国不動産市場での不安が広がるなか、「碧桂園(カントリー・ガーデン)」が私募債の償還を3年間延長する案を債権者に提案すると一部メディアで報じられていた。ただ見通しは不明で、不動産リスクの解消に繋がるかも未知数だ。そうしたなか、ブルームバーグは「金融規制当局などが銀行幹部らと会談し、景気回復を支えるために融資を増やすよう要請した」と報道。また、中国証券監督管理委員会は、株式の取引時間の延長や企業の自社株買いの規制緩和を検討すると明らかにしていたものの、これらの効果を疑問視する向きもあるようだ。
対して後者は、北朝鮮とロシアの関係が密になっており、武器供給などで連携を強めているとの見方が急台頭して話題に。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)から、ロシアと北朝鮮が新たなミサイル技術の開発で協力する可能性を懸念しているとの発言が聞かれるなか、米国の戦略国際問題研究所は、ロシアが北朝鮮に対して大陸間弾道ミサイル(ICBM)の技術協力を行った可能性があるという分析結果を公表している。それに対して、バイデン米大統領は会見で、北朝鮮がウクライナに侵攻するロシアに武器を供与しようとしている可能性があると指摘していた。両国の関係に今後も要注意だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は先週17日に146.56円まで上昇したものの、それで足もとのドル高も一服か。もちろん基本的なリスクは依然としてドル高方向ながら、ジャクソンホール会合という次の材料をにらみつつ、短期的にはレンジ取引が続く可能性も否定できない。目先は144-145円台で米株などの動きや、日本当局の円買い介入姿勢をにらむ動きが予想されている。
日米金融政策への関心が依然として高いなか、今週は24-26日に予定されているジャクソンホール会合にまずは注目だ。うち、もっとも注視されているパウエルFRB議長の講演は25日に実施される予定。
一方、それとは別に中国情勢にも引き続き要注意。それほど大きな動きにはならなかったが、東京市場でも同国経済への先行き不安が取り沙汰され、リスク回避と思しき動きも一時観測されていただけに予断を許さない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は先週17日の146.56円で目先のトップを付けた感があり、今後しばらくは次の方向性を探る展開か。7日安値141.52円を起点に、先の高値まで上昇したことに対する調整の動きではあるものの、価格ではなく時間調整になると予想。ザックリ言って144.50-146.50円程度のボックス相場が続くことになる公算が大きいとみている。
本日もとくに目立った米経済指標の発表は予定されていない。そうした意味では新規材料難で基本はジャクソンホール会合待ちか。ただ、バイデン米大統領のハワイ・マウイ島訪問など幾つかの注意すべき政治案件は予定されており、小動きと決めつけるのは早計かもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.80-145.90円。ドル高・円安方向は東京高値の145.65円レベルや145.75円前後などの攻防に注目。ドルの上値はなかなか重いイメージだ。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の144.93円が最初のサポート。下回ると144.40-50円を目指す。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2023.08.22
ドル円、米金利上昇を背景に146円台半ばへ切り返す展開。下値の堅さが鮮明に(8/22朝)
週明け21日(月)のドル円相場は堅調な値動き。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.08.21
東京市場は145円台での小動き、ジャクソンホール会合待ちの地合いに(23/8/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、週後半に開催されるジャクソンホール会合を控えて様子見姿勢が強まり、145円台前半でのもみ合いとなった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。