ドル上昇一服も足もとは時間調整継続か(8/21夕)

週明け21日の東京市場はレンジ取引。145円半ば挟みの一進一退で、明確な方向性も乏しかった。

ドル上昇一服も足もとは時間調整継続か(8/21夕)

ドル上昇一服も足もとは時間調整継続か

〇本日のドル円、145.15-65の50ポイント弱のボックス相場に終始
〇先週8/17の146.56で目先のトップを付けしばらくは次の方向性を探る展開か
〇ジャクソンホール会合での8/25のパウエルFRB議長の講演がもっとも注視される
〇ドル高・円安方向は東京高値145.65レベルや145.75前後の攻防に注目、上値は重いイメージ
〇ドル安・円高方向は、先週末安値144.93が最初のサポート、下回ると144.40-50を目指す
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.80-145.90

<< 東京市場の動き >>

週明け21日の東京市場はレンジ取引。145円半ば挟みの一進一退で、明確な方向性も乏しかった。

先週末は、ワシントンで日米韓首脳会談が実施されたことに続き日米、米韓などの首脳会談も別途観測されている。一方、米国で破産法の申請を行った中国恒大集団だが、「海外の債務再編を進めるための正常な手続きの一部だ」などと主張、物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は145.40円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。145.15-65円という50ポイント弱のボックス相場に終始している。時間外で取引された米長期金利の動きなどに一喜一憂しつつも、明確な方向性はうかがえず。今週は週末にかけてジャクソンホール会合という材料が予定されていることもあり、積極的な売買は見送られていた。16時現在では145.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、恒大集団が「NYで連邦破産法15条の適用申請」したこともあり、中国不動産市場での不安が広がるなか、「碧桂園(カントリー・ガーデン)」が私募債の償還を3年間延長する案を債権者に提案すると一部メディアで報じられていた。ただ見通しは不明で、不動産リスクの解消に繋がるかも未知数だ。そうしたなか、ブルームバーグは「金融規制当局などが銀行幹部らと会談し、景気回復を支えるために融資を増やすよう要請した」と報道。また、中国証券監督管理委員会は、株式の取引時間の延長や企業の自社株買いの規制緩和を検討すると明らかにしていたものの、これらの効果を疑問視する向きもあるようだ。

対して後者は、北朝鮮とロシアの関係が密になっており、武器供給などで連携を強めているとの見方が急台頭して話題に。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)から、ロシアと北朝鮮が新たなミサイル技術の開発で協力する可能性を懸念しているとの発言が聞かれるなか、米国の戦略国際問題研究所は、ロシアが北朝鮮に対して大陸間弾道ミサイル(ICBM)の技術協力を行った可能性があるという分析結果を公表している。それに対して、バイデン米大統領は会見で、北朝鮮がウクライナに侵攻するロシアに武器を供与しようとしている可能性があると指摘していた。両国の関係に今後も要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週17日に146.56円まで上昇したものの、それで足もとのドル高も一服か。もちろん基本的なリスクは依然としてドル高方向ながら、ジャクソンホール会合という次の材料をにらみつつ、短期的にはレンジ取引が続く可能性も否定できない。目先は144-145円台で米株などの動きや、日本当局の円買い介入姿勢をにらむ動きが予想されている。
日米金融政策への関心が依然として高いなか、今週は24-26日に予定されているジャクソンホール会合にまずは注目だ。うち、もっとも注視されているパウエルFRB議長の講演は25日に実施される予定。
一方、それとは別に中国情勢にも引き続き要注意。それほど大きな動きにはならなかったが、東京市場でも同国経済への先行き不安が取り沙汰され、リスク回避と思しき動きも一時観測されていただけに予断を許さない。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は先週17日の146.56円で目先のトップを付けた感があり、今後しばらくは次の方向性を探る展開か。7日安値141.52円を起点に、先の高値まで上昇したことに対する調整の動きではあるものの、価格ではなく時間調整になると予想。ザックリ言って144.50-146.50円程度のボックス相場が続くことになる公算が大きいとみている。

本日もとくに目立った米経済指標の発表は予定されていない。そうした意味では新規材料難で基本はジャクソンホール会合待ちか。ただ、バイデン米大統領のハワイ・マウイ島訪問など幾つかの注意すべき政治案件は予定されており、小動きと決めつけるのは早計かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.80-145.90円。ドル高・円安方向は東京高値の145.65円レベルや145.75円前後などの攻防に注目。ドルの上値はなかなか重いイメージだ。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の144.93円が最初のサポート。下回ると144.40-50円を目指す。

ドル上昇一服も足もとは時間調整継続か

ドル円日足


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