ドル円、米金利上昇を背景に146円台半ばへ切り返す展開。下値の堅さが鮮明に(8/22朝)

週明け21日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、米金利上昇を背景に146円台半ばへ切り返す展開。下値の堅さが鮮明に(8/22朝)

ドル円、米金利上昇を背景に146円台半ばへ切り返す展開。下値の堅さが鮮明に

〇ドル円、中国の予想外のローンプライムレートの据え置き、米長期金利の急上昇等に146.41まで急伸
〇ユーロドル、1.09を挟んでの方向感に欠ける動き
〇ドル円、ローソク足が主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレード継続期待など、ドル円相場上昇材料揃う
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.50ー147.00

海外時間のレビュー

週明け21日(月)のドル円相場は堅調な値動き。(1)中国経済の先行き不透明感(不動産バブル崩壊懸念に端を発したチャイナショック再来の思惑)や、(2)上記1を背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値145.15まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると(前週末金曜日に記録した安値144.93をバックに押し目買い圧力が強まると)、(3)日経平均株価の堅調推移(リスク回避ムード後退に伴う円売り圧力)や、(4)中国の住宅ローン金利の指標となる5年超最優遇貸出金利(ローンプライムレート)が市場コンセンサスの利下げに反して据え置きが決定されたこと(人民元下落→米ドル上昇→ドル円連れ高)、(6)米長期金利の急上昇(米10年債利回りが2007年11月以来の高水準となる4.35%へ急上昇→日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値146.41まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/22午前5時00分現在)では、146.26前後で推移しております。

週明け21日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)中国経済の先行き不透明感や、(2)上記1を背景としたリスク回避のユーロ売り圧力が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値1.0869まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると(前週末金曜日に記録した安値1.0845をバックに押し目買い圧力が強まると)、(3)欧州株の底堅い動きや、(4)独連銀月報の「基調インフレ率はピークに達した可能性があるものの物価圧力の緩和ペースは遅すぎる」「インフレ率が2%超で高止まりするリスクが高まっている」とのタカ派的な見解発表、(5)上記4を背景としたECBによる金融引き締め長期化観測、

(6)ドイツ債利回りの急上昇(独10年債利回りは前週末金曜日に記録した2.59%から2.70%へ急上昇)が支援材料となり、欧州時間午後にかけて、高値1.0914まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/22午前5時00分現在)では、1.0896前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ7月生産者物価指数(結果▲6.0%、予想▲5.1%、※前年比)は市場予想を下回る結果となりましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は前週末金曜日に一時144.93まで下押す場面が見られましたが、昨日は早々に146円台半ばへ切り返す力強い動きが確認できました(8/17高値146.57→8/18安値144.93→8/21高値146.41)。日足ローソク足が全てのテクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド、21日線、50日線、90日線、200日線)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待など、ドル買い・円売りトレンドの継続を連想させる材料が揃っています。

日本政府・当局による介入観測が都度上値を抑制する可能性はあるものの、昨年高値151.95を上抜けるまでは、あくまで口先介入に留まると見られることから(実弾介入に踏み切る可能性は乏しいことから)、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(目先は8/17に記録した年初来高値146.57を試すシナリオを想定。同水準を突破できれば、次のターゲットは昨年10/31高値148.86)。

尚、本日は米7月中古住宅販売件数や、米8月リッチモンド連銀製造業指数、シカゴ連銀グールズビー総裁発言、ボウマンFRB理事発言などが予定されておりますが、株式市場で注目されているエヌビディアの決算発表(今週水曜日引け後)や、8/24ー8/26の日程で開催されるジャクソンホール会議(カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム)を週央以降に控えているため、世界的に様子見ムードが強まり易くなっている点には留意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:145.50ー147.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利上昇を背景に146円台半ばへ切り返す展開。下値の堅さが鮮明に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る