連続陽線が途切れる、短期的には調整も注意(8/18夕)

18日の東京市場はドルが小安い。夕方に掛け下げ幅を拡大、145.20円レベルまで下落している。

連続陽線が途切れる、短期的には調整も注意(8/18夕)

連続陽線が途切れる、短期的には調整も注意

〇本日のドル円、寄り付いた145.80-85レベルを高値に右肩下がり、夕方145.20レベルまで値を下げる
〇昨日はザラ場ベースで年初来高値を更新するも日足は陰線引け、連続陽線の記録が久しぶりに途切れる
〇ドル高という大きな流れは続いているものの、短期的にはドル高傾向もそろそろ一服の可能性も
〇来週のジャクソンホール会合に注目集まる、それまではレンジ取引が続く可能性
〇ドル円予想レンジは144.50-145.80、ドル高・円安方向は145.50-60レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、145円前後が最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドルが小安い。夕方に掛け下げ幅を拡大、145.20円レベルまで下落している。

ドル/円はザックリ「寄り付き高の大引け安」。寄り付いた145.80-85円レベルを日中高値にドルは緩やかな右肩下がりで、夕方には145.20円レベルまで値を下げた。日経平均株価がザラ場ベースで300円以上下落したことなども材料視されていたようで、リスク回避の動きに繋がっていたという。16時現在では145.25-30円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、「碧桂園(カントリー・ガーデン)」をはじめとする新たな不動産リスクが取り沙汰されるなか、かねてから危機的状況が指摘されていた中国恒大集団が「NYで連邦破産法15条の適用申請した」−−と発表し物議を醸す。なお、本日東京時間の日経平均株価の下落も、このニュースを嫌気した面があったようだ。一方、それとは別にブルームバーグが「中国警察、影の銀行投資家の抗議参加をけん制」とレポートしたうえで、当局が金融不安の拡大による混乱を懸念していることがあらためて示唆された、と報じていた。弱り目に祟り目で、悪材料が次から次へと噴出する負の連鎖が止まらない。

対して後者は、モスクワ中心部が再びドローン攻撃に見舞われるなど、ウクライナとの戦況がさらにウクライナ優勢になりつつあるようだ。そうしたなか、デンマークとオランダがウクライナへの供与を求めていた米国製F-16戦闘機について、米国が正式に供与を認めたとされ、戦況が今後さらにウクライナ有利で進む可能性も取り沙汰されていた。なお、ロシアとの同盟国であるベラルーシだが、ルカシェンコ大統領は「プーチン氏はベラルーシをウクライナ戦争に参加させようとしていない」と述べるなど、応援するが協力はしないというスタンスを示し思惑を呼んでいたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、直近安値である141.52円を示現した7日を起点に、以降一昨日まで微妙なときもあったが、日足は一応8日連続の陽線引け。しかし、昨日はザラ場ベースで年初来高値を更新する機会もあったが日足は逆に陰線で引けた。つまり、連続陽線の記録が昨日久しぶりに途切れたわけだ。ドル高という大きな流れは続いているものの、短期的にはドル高傾向もそろそろ一服しても不思議はないだろう。
日米金融政策への関心が依然として高く、短期的には来週のジャクソンホール会合に注目が集まる。ちなみに、パウエルFRB議長は25日のシンポジウムで講演を行う予定とされ、また内容についても「基本的には引き締め姿勢を示す」といった見方が一般的だが、それでも実際の発言を見極めたいとの向きもある。米株や金利の動きなどに一喜一憂しつつも、来週のジャクソンホール会合にらみでレンジ取引の続く可能性がある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日もザラ場ベースで続伸したが日足は陰線。ついにドル高傾向も息切れか。前述した来週のジャクソンホール会合をにらみ、短期的にはポジション調整が先行、つまりドル売りの動きが続くことを予想する声も聞かれていた。ちなみに、起点を7月14日の137.25円とした場合にはフィボナッチ23.6%戻しで144.35円、38.2%戻しであれば143円レベルがターゲットとなる。いま一段のドル下押しにも一応注意をしておきたい。

本日はとくに目立った米経済指標の発表は予定されていない。ただ、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が「歴史に残る議論を行うことを楽しみにしている」と発言したこともあり、ハードルが相当高くなった感のある日米韓首脳会談にはやはり注意を要したい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.50-145.80円。ドル高・円安方向は145.50-60円が少し重くなりつつあるため、まずは同レベルの攻防に注目。再び超えていけば146円台も。
対するドル安・円高方向は、145円前後が最初のサポート。下回っても基本的には底堅そうで、はじめてのフィボナッチポイントの144.35円レベルでは一旦下げ止まる展開か。

連続陽線が途切れる、短期的には調整も注意

ドル円日足


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