東京市場は145円台前半で推移、人民元と中国不動産バブル崩壊に要注意
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、中国の為替介入強化の報道やアジアの株安などを受けて、145円台前半まで売られる展開となった。
昨晩の海外時間では、中国が人民元安阻止強化の一環として為替介入を強化すると報じられたことで「人民元高、ドル安」が進行。引き続き米国債の利回りは高止まりしていることから、さすがにドル急落という地合いとはならなかったが、145円台半ばで推移した。
東京時間では、朝方に発表された7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)が、前年同月比3.1%上昇と前月(同3.3%上昇)比では鈍化したものの、市場予想通りだったことで影響は限定的だった。ただ、中国不動産大手の中国恒大集団がニューヨーク連邦破産裁判所に米連邦破産法15条の適用を申請。中国市場を横目に見た神経質な地合いも嫌気され、ドルはじりじりと売られた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:145円72銭
高値:145円80銭
安値:145円32銭
終値:145円35銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円45銭
高値:158円55銭
安値:158円09銭
終値:158円19銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円31銭
高値:93円56銭
安値:92円92銭
終値:93円12銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円73銭
高値:185円89銭
安値:185円14銭
終値:185円27銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31321円26銭
高値:31644円89銭
安値:31275円25銭
終値:31450円76銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
特に無し。
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、7月14日に100日MA水準から反発。6月30日の高値145円08銭と8月3日の高値143円90銭を結んだ上値抵抗ラインと、7月14日の安値137円24銭と7月28日の安値138円07銭を結んだ下値支持ラインによる三角保ち合いを上放れている。年初来高値を連日で更新しているほか、日足の一目均衡表でも、雲上限(141円08銭)を上放れていることから目先のトレンドは強い。
中国経済がきな臭くなっている。以前より債務超過が懸念されていた中国不動産大手の中国恒大集団が、ついにニューヨーク連邦破産裁判所に米連邦破産法15条の適用を申請した。米国内資産を保全し債権者からの差し押さえなどを回避しつつ、米国外での債務再編に取り組むとのことだ。既に、2021年12月にドル建てのデフォルトに陥り、香港取引所では昨年3月18日を最後に取引が停止している。
もっとも恒大集団が大幅な債務超過に陥っており債務再編に追われていることは周知の事実で、既に「死に体」だったとの見方はある。一方、中国大手不動産デベロッパー「碧桂園(カントリーガーデン)」も流動性危機が発生しており、中国不動産バブルの崩壊が懸念される状況だ。人民元相場の安定に中国政府も躍起になっていることで、目先、人民元相場の落ち着きは確認しておきたい。
米国債券の利回り拡大に伴う日米金利差を要因としたドル買いは、ドルのけん引役となるが、世界の決済通貨シェア5位の人民元(ドル、ユーロ、ポンド、日本円に次ぐ2.5%「SWIFT発表の23年5月の月次報告より」)の混乱は、ドルを筆頭に主要通貨の乱高下を招く可能性があり要注意だ。少なくても、週明けまでは市場動向を見極めたい。
今晩の海外時間は目立った売買材料も予定されていないことから、無理に売買を手掛ける必要はないと考える。むしろ、思わぬニュースでドル一段安の地合いも頭に入れておきたい。上値メドは本日の高値水準の145円80銭、下値メドは144円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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