ドルは連日の高値更新、続伸期待も強い(8/15夕)

15日の東京市場はドルが小幅に続伸。連日の年初来高値更新で、145.70円台まで一時値を上げている。

ドルは連日の高値更新、続伸期待も強い(8/15夕)

ドルは連日の高値更新、続伸期待も強い

〇本日ドル円、145円半ばで寄り付いた後、本邦当局の円買い介入警戒もあり上値重い
〇夕方に掛けややドル買い優勢、145.75レベルまで買われ、高値圏で推移して欧米市場を迎える
〇円買い介入警戒が極めて強いが、それほど強い切迫感はうかがえず、実弾介入はもう少し先か
〇テクニカルには、1週間で4円強の上昇を考えると調整的なドル売り・円買いが入る可能性も
〇本日は米7月小売売上高、8月NY連銀製造業景況指数、ミネアポリス連銀総裁の講演等に注目
〇来週末開催のジャクソンホール会合でのFRB議長コメントが注視される
〇ドル円予想レンジは145.00-146.20、ドル安・円高方向は東京安値145.30-35をめぐる攻防にまず注目
〇ドル高・円安方向は台替わりとなる146円、そしてフィボナッチポイントの146.10レベルが最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場はドルが小幅に続伸。連日の年初来高値更新で、145.70円台まで一時値を上げている。

ドル/円は145円半ばで寄り付いたものの、上値も重く基本的には強保ち合い。実際値動きは40ポイント強といったところにとどまっている。本邦通貨当局の円買い介入警戒もあり、ドルの上値を積極的に買っていく向きも乏しかった。それでも、夕方に掛けてはややドル買い優勢。145.75円レベルまで買い進まれ、16時現在ではそのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策」と「中国情勢」について。
前者は、ドル/円の実勢相場が昨年9月、政府・財務省が円買い介入を実施した145円レベルを超えていることもあり、市場では円買い介入警戒が極めて強い。そして実際、本日東京時間には鈴木財務相から「為替はファンダメンタルズを反映し安定推移が重要」、「投機筋の動きがあればしかるべき措置をとる」−−といった口先介入も観測されていた。ただ、前述した昨年9月介入前に聞かれた「スタンバイの状態と考えていい。いつでもやる用意がある」(同月22日・神田財務官発言)などと比べると、まだそれほど強い切迫感はうかがえない。実弾介入はもう少し先になるのかもしれない。

対して後者は、中国の不動産大手「碧桂園(カントリー・ガーデン)」が6日、ドル建て債2本の利払い(総額2250万ドル)を履行できず、テクニカルデフォルトに陥ったことは記憶に新しい。そうしたなか、昨14日には同業大手の「遠洋集団」が、2023年1-6月期の純損益が最大200億元の赤字になる見通しだと発表し物議を醸していた。中国で不動産危機が再燃している可能性もある。なお、中国国家統計局の付報道官は、中国不動産開発会社のリスクについて、「政策の最適化により徐々に解消される可能性がある」と発言。強まる市場不安の払しょく、「火消し」に動いていたものの、そんなに上手くことが運ぶのか引き続き動静に注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、6月30日に記録した年初来高値145.07円を昨日更新。そして本日東京でドルはさらに続伸し、145.75円レベルまで上値を伸ばしている。リスクは引き続きドル高方向にバイアスが掛かり、次のターゲットは高値151.94円を起点とした大きな下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しにあたる146.10円レベルか。一方、市場では円買い介入への警戒感も強いが、前述したように1年前と比べると切迫感はまだ低そう。ジリジリとしたドル高の進行も。
日米金融政策への関心が依然として高いなか、市場の関心はまず来週末に掛けて実施される米ジャクソンホール会合だ。パウエルFRB議長が如何なるコメントを発するのか注視している向きは少なくない。短期的には、発表される米経済指標の内容に要注意かつ、本15日の米国債償還を警戒している声も一部市場筋のあいだからは聞かれていた。ちなみに、かつて「8月の為替相場は円高有利」と言われていた時期もあったが、その一端として先の米国債償還にともなう円転(ドル売り・円買い)の動きが大きく寄与していた可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドルが続伸し145.70円台まで上値を広げている。リスクはドル高で146円方向に向けた動きが予想されるものの、直近の7日安値141.52円を起点としても1週間で4円強となかなかの上昇だ。円買い介入云々ではなく、飽くまで自発的な動きとして調整的なドル売り・円買いが入ってもまったく不思議はない。そして、仮に調整が入るとすれば市場まだまだ薄商いだけに、1-2円程度の下押しを想定しても良いだろう。

本日は米経済指標として、7月の小売売上高や8月のNY連銀製造業景況指数などが発表される見込みとなっている。また、それとは別にミネアポリス連銀総裁の講演等も実施される見通しだ。一連の指標結果などを受けた、薄商いのなかの荒い値動きにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.00-146.20円。ドル高・円安方向は台替わりとなる146円、そしてフィボナッチポイントの146.10円レベルが最初の抵抗に。
対するドル安・円高方向は東京安値の145.30-35円をめぐる攻防にまず注目。下回っても底堅そうだが、しっかりとした調整が入るなら145円割れへ。


注:ポイント要約は編集部

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