東京市場は連日の高値更新、実体経済への影響を考慮すると介入は難しい?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、為替介入への警戒感から上値は重くなったものの、米国金利が一段と上昇したことなどを受けて、145円60銭と昨年11月の水準まで買われた。
昨晩の海外時間では目立った材料が観測されなかったが、米国金利の上昇が継続し日米金利差拡大を意識したドル買いが継続。昨日の東京時間でつけた年初来高値145円23銭をあっさり上回る展開に。15日に控えている米小売売上高への期待感もドル買いが強まる要因となった。
東京時間では、朝方、米2年債利回りが4.9775%と5.0%台に迫る水準まで利回りが拡大。ドルもそのタイミングで145円60銭まで買われた。一方、為替介入が昨年に実施された水準に達していることから、朝の買い一巡後は積極的なドル買いは手控えられた。なお、朝方発表された4−6月期の実質国内総生産(GDP)速報値(年率)が、前期比6.0%増と市場予想(同2.9%増)を大幅に上回ったことから日経平均は反発した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:145円53銭
高値:145円60銭
安値:145円32銭
終値:145円46銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円72銭
高値:158円85銭
安値:158円53銭
終値:158円75銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円41銭
高値:94円72銭
安値:94円00銭
終値:94円61銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円60銭
高値:184円66銭
安値:184円35銭
終値:184円55銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32372円53銭
高値:32403円93銭
安値:32217円52銭
終値:32238円89銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、独ZEW景況感指数、前回:−14.7
18時00分、欧、ユーロ圏ZEW景況感指数、前回:−12.2
21時30分、米、小売売上高(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.4%
21時30分、米、小売売上高(自動車除くコア)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.5%
21時30分、米、NY連銀製造業景気指数、前回:1.1、市場予想:−0.8
24時00分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、7月14日に100日MA水準から反発。6月30日の高値145円08銭と8月3日の高値143円90銭を結んだ上値抵抗ラインと、7月14日の安値137円24銭と7月28日の安値138円07銭を結んだ下値支持ラインによる三角保ち合いを上放れている。6月30日の年初来高値145円08銭をクリアしているほか、日足の一目均衡表でも、雲上限(142円26銭)を上放れていることから、目先のトレンドは強い。
日米金利差拡大を受けたドル買いと、日本政府による為替介入実施への警戒感という構図だが、日本時間15日15時30分時点では、神田財務官による口先介入は行われていない。さすがに実弾による介入の前には、「一方的な為替の動きを憂慮している」「あらゆる措置を排除せず、為替市場において必要な対応をとる準備がある」「激しい動きは望ましくない」「スタンバイの状態と考えてもらってもいい」といった口先介入が必要だ。
8月7日の安値141円52銭から一週間で4円ドル高円安に振れていることから、ある程度一方的な動きと言えよう。ただ、昨年9月8日の3者会合後に神田財務官が残した「急激な円安が経済、物価に与える影響を高い緊張感をもって注視していく必要がある」とはいささか状況が異なる。昨年と比べると今年の物価高は一服(高止まり)しており実体経済に与えるインパクト(変化率)は昨年よりも軽微と言えよう。2011年の円売りドル買い介入、昨年の円買いドル売り介入、いずれも「実体経済及び国民の生活への影響を抑える」といった大義名分があった。
この大義名分がない状況下、今の為替水準では口先介入すら入れにくいのかもしれない。となれば、昨年10月の150円水準まで、ヘッジファンドなどの投機筋がドルを押し上げてくる可能性はある。神田財務官による口先介入の有無、そして、その発言内容、使用するフレーズに注目が集まる。
今晩の海外時間は、年初来高値圏でのせめぎあいのなか、「口先介入ですらまだ先」という考えの元、ドルじり高の展開を想定する。上値メドは年初来高値より上の146円30銭、下値メドは昨日安値水準の144円70銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2023.08.16
ドル円、年初来高値を連日で更新。日本政府・当局による口先介入の効果は限定的(8/16朝)
15日(火)のドル円相場は堅調な値動き。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2023.08.15
ドルは連日の高値更新、続伸期待も強い(8/15夕)
15日の東京市場はドルが小幅に続伸。連日の年初来高値更新で、145.70円台まで一時値を上げている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。