上値重そうだが、ドル高基調は継続見込み(8/14夕)

週明け14日の東京市場はドルが強保ち合い。145円台へと乗せ、年初来高値を更新する局面も観測されている。

上値重そうだが、ドル高基調は継続見込み(8/14夕)

上値重そうだが、ドル高基調は継続見込み

〇本日ドル円、年初来高値を超える145.20-25まで上昇後、一気に144.65レベルまで下落
〇その後144円後半での一進一退、16時現在144.85-90で推移して欧米市場を迎える
〇145円台での介入警戒感はかなり高い様子、基本的にはドル高傾向だが飽くまでもじり高
〇テクニカル的に上値メドは、151.94を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻し146.10レベルか
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.20-145.30
〇ドル高・円安方向は本日東京高値の145.20-25が最初の抵抗、超えれば146円台乗せを目指す
〇ドル安・円高方向は先週末安値144.40をめぐる攻防にまず注目

<< 東京市場の動き >>

週明け14日の東京市場はドルが強保ち合い。145円台へと乗せ、年初来高値を更新する局面も観測されている。

先週末は、台湾副総統が経由地として米NYへ立ち寄ったことに、中国サイドが強烈な不満を示す。一方、実施されていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委だが、閉会にともなう議長総括案を提示できず。イランが核開発に関する内容に猛反発したことなどで、記録として残すことができなかったという。
そうした状況下、ドル/円はレンジこそ広くはないものの一時なかなか荒っぽい変動も。144.95-00円で寄り付いたのち上値を試す展開となり、年初来高値を超える145.20-25円まで上昇。しかし、円買い介入警戒などに続伸を阻まれると反落に転じ、一気に144.65円レベルまで下落している。その後は144円後半での一進一退、ドル強保ち合いをたどるなか、16時現在では144.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は前述したように、台湾副総統が経由地として米NYへ立ち寄ったこと対し、中国サイドが強烈な不満を示す。中国外務省報道官からは、「米国政府と台湾側のいかなる公的接触にも反対する」としたコメントも聞かれていた。なお、そうしたなか台湾の頼副総統は予定通り経由地のNYで在米台湾人との会合出席、米国との友好関係をアピールしていたもよう。一方、それとは別に王共産党政治局員兼外相が、訪問先のシンガポールでシェンロン首相と会談するなか、台湾問題などを例に挙げて「米国が世界最大の不安定要因になった」と述べ、米国を非難したと伝えられている。

対して後者は、米国のシンクタンクである戦争研究所が「ウクライナ軍は東南部境界で前進」とした分析を発表するなど、戦況がジワリとロシア不利との見方に傾斜しつつある。しかし、そうしたなか起死回生の一撃なのか、なりふり構わぬロシアの姿勢も観測されており、ますます予断を許さない。たとえばロシア国防省は、同海軍のパトロール船が停船要求に従わなかったパラオ船籍の貨物船に警告発砲。強制的に臨検したと発表し、各国から非難を浴びていた。またそれとは別に、互いに相手国を戦略核ミサイルの照準から外すことを約した1994年の米国、英国との合意は「政治的性格のもので国際条約ではない」としたうえで、国家主権維持のため核兵器の使用も辞さない立場を一方的に示すコメントを発していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、6月30日に記録した年初来高値145.07円を本日東京時間に更新。改めてリスクはドル高方向に高いということを示した。ただ、その後の展開を見ると145円台への定着は出来ておらず、昨年9月などに当局の円買い介入が観測された145円台での介入警戒感はかなり高いとも言えそうだ。この先も基本的にはドル高傾向が続くと予想するが、飽くまでもじり高。牛歩のような展開をたどる可能性もある。
日米金融政策への関心が依然として高いものの、次の中銀会合まで1ヵ月以上の時間的猶予もあり、目先の注目材料は来週末に掛けての米ジャクソンホール会合か。それをにらみつつ、目先は思惑が交錯する展開が続きそうだ。なお、それとは別に需給要因、具体的には明15日に予定されている米国債の償還を注視している向きも少なくない。引き続き日本勢はお盆休みの向きも多いだけに、薄商いのなか再び荒っぽい変動となるかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はしっかりと超えてはいないが、それでもザラ場ベースで一時145円台を回復。ドルの基調の強さを再確認した格好だ。ちなみに、そんなドルの次の上値メドは高値151.94円を起点とした大きな下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しにあたる146.10円レベルか。ポジションの偏りや、当局の介入警戒感などもあり一本調子に到達するとは思わないものの、さらなるドル高の進行にも一応要注意だ。

本日は目立った米経済指標の発表は予定されていないだけでなく、地区連銀総裁による講演などの発言機会もとくになし。そうした意味では新規材料に乏しく、動きにくそうな雰囲気だ。早々に、明日東京時間の日中経済指標発表にらみとなる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.20-145.30円。ドル高・円安方向は本日東京高値の145.20-25円が最初の抵抗。超えれば146円台乗せを目指す。
対するドル安・円高方向は先週末安値144.40円をめぐる攻防にまず注目。下回っても底堅そうだが、しっかりとした調整が入るならかなりの深押しが入っても不思議はない。

注:ポイント要約は編集部

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