ドル円、米金利上昇を背景に年初来高値更新。145円台半ばへ続伸するなど9カ月ぶり高値圏へ(8/15朝)

週明け14日(月)のドル円相場は急上昇。

ドル円、米金利上昇を背景に年初来高値更新。145円台半ばへ続伸するなど9カ月ぶり高値圏へ(8/15朝)

米金利上昇を背景に年初来高値更新。145円台半ばへ続伸するなど9カ月ぶり高値圏へ

〇ドル円、米長期金利の上昇と日本当局の沈黙に米国時間朝方145.59まで急伸
〇ユーロドル、欧州朝方に1.0960まで上昇後、米金利上昇等に1.0875まで急落、1.09前後で推移
〇ドル円、ローソク足が主要テクニカルポイントの上で推移、買いサインも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレード継続期待など、ドル円相場上昇材料揃う
〇直近高値151.95を抜けてくるまでは当局が実弾介入に踏み切る可能性は乏しいか
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:144.75ー146.25

海外時間のレビュー

週明け14日(月)のドル円相場は急上昇。アジア時間朝方にかけて、安値144.66まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米2年債利回りは7/7以来の高水準となる4.96%へ急上昇、米10年債利回りは昨年11/8以来の高水準となる4.21%へ急上昇)や、(2)日本政府・当局より「口先介入が出なかったこと」に対する安堵の円売り、(3)年初来高値更新に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(4)米主要株価指数の底堅い動き(リスク選好の円売り圧力)、(5)対人民元でのドル買い圧力(人民元急落→米ドル急伸→ドル円連れ高)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、昨年11/10以来、約9カ月ぶり高値となる145.59まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/15午前5時20分現在)では、145.47前後で推移しております。

週明け14日(月)のユーロドル相場は急反落。(1)天然ガス先物価格の上昇圧力や、(2)上記1を背景とした欧州圏におけるインフレ再開の思惑、(3)ドイツ7月卸売物価指数(結果▲2.8%、予想▲2.9%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0960まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(5)中国経済の先行き不透明感(中国大手不動産開発企業の碧桂園のデフォルト危機)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0875(7/7以来、約1カ月半ぶり安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/15午前5時20分現在)では、1.0907前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は7/14に記録した安値137.24をボトムに反発に転じると、昨日は約9カ月ぶり高値となる145.59まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド、21日線、50日線、90日線、200日線)を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを決定づけるチャート形状となっています(週足や日足などの上位足のみならず4時間足などの下位足でも強い買いシグナルが点灯中)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利上げ観測の残存(米長期金利に上昇圧力)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(円金利に低下圧力)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。

日本政府・当局による口先介入の活発化が警戒されるものの、昨年10/21に記録した直近高値151.95を抜けてくるまでは実弾介入に踏み切る可能性は乏しいことから、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間8:50に発表される本邦4ー6月期GDP速報値を皮切りに、11:00に予定されている中国7月小売売上高、中国7月鉱工業生産、中国7月固定資産投資、18:00に予定されているユーロ圏8月ZEW景況感指数、独8月ZEW景況感指数、21:30に予定されている米7月小売売上高、米8月ニューヨーク連銀製造業景況指数、23:00に予定されている米8月NAHB住宅市場指数、24:00から始まるミネアポリス連銀カシュカリ総裁講演など、日本、中国、欧州、米国の重要イベントが目白押しとなります。

特に中国の主要経済指標が市場予想を下回る場合には、中国経済の先行き不安の高まりを嫌気する形で、リスク回避のドル買いが一段と活発化する恐れもあるため、本日はアジア時間帯のドル円急伸リスクにも警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:144.75ー146.25


注:ポイント要約は編集部

米金利上昇を背景に年初来高値更新。145円台半ばへ続伸するなど9カ月ぶり高値圏へ

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る