大統領選当日の動きと今後(2016年11月10日)

色々と驚きの一日でした。私も含め多くの人の予想を裏切るトランプ大統領誕生を見ることになりましたが

大統領選当日の動きと今後(2016年11月10日)

大統領選当日の動きと今後

色々と驚きの一日でした。私も含め多くの人の予想を裏切るトランプ大統領誕生を見ることになりましたが、英国国民投票の時とまったく同じで、今回の大統領選では一般大衆白人層の不満がメディアの報道以上に強く、彼らの1票の集まりがこれまで民主党地盤と考えられていた州でもトランプ支持につながったということになります。

結果が出てからのメディアも、ブレグジット決定時と同じでトランプ支持層の多さを後付けで報道していますが、そもそも一般大衆に属していない人が多いと思われるメディア関係者には、最初からトランプ大統領誕生という選択肢が無かったということだと思います。今年はブレグジットと米国大統領選、どちらも事前予想とは全く異なる結果となりましたが、英国、米国、のみならず他国においても大きな転換期にありそうです。

そして、もっと驚いたのはマーケットの動きです。トランプ優勢が伝えられる中での株価急落、ドル大幅安の動きはこれまでトランプリスクとして言われていた動きに沿ったものであり納得出来るものですが、その後の急反転そしてNYダウにしてもドルにしても前日終値よりも高い水準で一日を終わったことです。為替市場では長期金利の上昇で素直にドルが買われたと説明され、株式市場では連邦議会が上下院ともに共和党が過半数でトランプ大統領となれば共和党ホワイトハウスで政治的なねじれがなく、また減税等での景気浮揚に期待と突然これまでとは違った論調となっています。

政治的な安定はそもそも連邦議会では共和党が優位ということは前から言われていたことですし、減税はそもそも公約ですから取って付けたような後付け分析としか思えません。ポジション調整で売りすぎた参加者の買い戻しと短期的な期待感だとするならば、ここからの展開はよくよく考えなくてはならないと思います。長期金利上昇の原因も今後の米国債務の増大を懸念して米債が売られた結果ですから、流れによっては更に株安、ドル安と米国売りのトリプル安になるリスクもあります。そもそも、事前に懸念されていたトランプリスクはそこだったのではないかという疑問が残ります。

正直言って個人的には昨日の欧州市場以降の落ち着き、異常なまでのリスクオンの動きに対しては消化不良状態です。このままリスクオンの動きがストレートに続くのか怪しいのではないかと考えています。昨日の動きに買いらず、大きく動く時にはアルゴリズムトレードが振れを拡大させていること、また誰かはわかりませんが混乱時にかなりの金額で市場に混乱を与えるような取引(チープラーニング等を使ったAI取引ではないかと疑っています)が出ているのではないでしょうか。大統領選を一夜明け、そんなことを考えました。

次にドル円の日足チャートをご覧ください。

大統領選当日の動きと今後

テクニカルには、ピンクの平行線で示した上昇チャンネルの中での推移に移行した可能性が強いのですが、その場合上限が106円レベルそして下限が102円レベルということになります。この上昇チャンネルの中での推移を更に上抜ける動きが出て来るまでは、安易にドル高の流れに乗るのも時期尚早なのではないかと見ています。

オーダー/ポジション状況

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