目先小レンジ上抜けるも、基本は保ち合いか
〇本日ドル円、非常に狭いレンジ取引の後、上抜けると一気にドル高進行、8/3以来の143円台を一時示現
〇143円を上限とした小レンジを上抜けるも、しばらく141.50-144.00レンジを続ける可能性も
〇8/10発表の米消費者物価指数発表をにらみ、基本的に142円台を中心とした一進一退の往来相場続くか
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは142.30-143.60、ドル高・円安方向143円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、142円半ばが下値メドで、下回ると142円割れもあるか
<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場はドルが小幅に続伸。先週3日以来の143円台を一時示現している。
ドル/円は142円半ばで寄り付いたのち、しばらく冴えない。非常に狭いレンジ取引をたどるなか、上抜けるとそのまま143円台へと一気にドル高が進行した。そののちムーディーズが「ステートストリートなど米銀6行を格下げ方向で検討」と報じるなど、やや気になるニュースが伝えられたがドル高の流れは変わらず。16時現在でも143円台、143.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、参加した当事国であるウクライナから、サウジアラビアで行われたウクライナ和平に関する会議について、前向きなコメントが聞かれるなど一定の成果があったもよう。また別に、参加国が約6週間以内に政治顧問級の会合を開催することで合意したとも発表されている。ただ、一連の動きに、参加しなかったロシアサイドは猛反発。外務省が「ロシア不参加の和平会議に意味はない」とする声明を発表している。なお、ラブロフ外相は中国の王外相と電話会談を行い、ウクライナ情勢を協議したとされるが、それ以上の詳細は明らかになっていない。
対して後者は、米紙が「中国軍ハッカー、日本の防衛省の最高機密網に侵入していた」と報じ物議を醸す。これについて、松野官房長官は「中国ハッキングによる情報漏えいはない」と発言したものの、システム進入の有無については言及しておらず、危機管理の観点からの非難も聞かれていたようだ。そうしたなか、自民党の麻生氏が訪台し、現地で台湾海峡の平和と安定には強い抑止力を機能させる必要があり、そのために日米や台湾には「戦う覚悟」が求められていると主張したという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、143円を上限とした小レンジを本日東京時間に上抜けるも144円が再び抵抗として意識されている感。つまり、概ね141.50-144.00円という2.5円レンジを今後しばらく続ける可能性もある。ただ、敢えてリスクを指摘するなら上方向で、144円をしっかり超えれば145.07円の年初来高値が再び視界内に。
日米を中心とした金融政策への関心が依然として高い状況下、今週は10日に予定されている7月の米消費者物価指数発表がもっとも注視されている。そんな米経済指標をにらみつつ、短期的には株価や金利の動きにも敏感に反応する展開か。本日の東京時間も、実際それらの動きに一喜一憂していた。ただ、日本が盆休み期間入りへと向かいつつあるなど、欧米勢を含めて商いが徐々に閑散としつつある。「薄商い=乱高下」といった展開には是非とも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は143円を上限とした小レンジを上抜けるも、144円を同じく上限とした中レンジには阻まれた感がある。当初想定していた1.5円レンジが1円程度拡大した格好だ。しかし、いずれにしても10日の7月の米消費者物価指数発表をにらみ、短期的にはやや広めのレンジ取引継続か。基本的には142円台を中心とした一進一退の往来相場が続くと予想している。
本日は米経済指標として、6月の貿易収支や同卸売売上高などが発表される予定となっている。また、昨日のボウマンFRB理事に続き、本日はリッチモンド連銀総裁などが講演を行う予定で連日の要人発言には注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.30-143.60円。ドル高・円安方向は本日東京高値にあたる143円半ばが最初の抵抗。超えれば3日高値143.89円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆時上回って推移している一目均衡表の先行帯の雲の上限をめぐる攻防に注目。142円半ばが下値メドで、下回ると142円割れも否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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