ドル円140円台、日米6月消費者物価指数逆転には反応薄
21日午前の東京市場でドル円は140円近辺での取引。朝方140.07レベルで取引の始まったドル円は、日本の6月CPIが予想を上回る前年比3.3%に上昇したことを受けて139.75まで小緩む場面もありましたが、その後は買い戻しが優勢となり、140.30まで反発した後、東京時間正午現在は140.23レベルで取引されています。
日経平均株価は、米市場で昨晩ナスダック総合指数が大幅に下げた流れを受け、昨日に引き続き半導体銘柄が大幅下落。他のほとんどの業種は上げたものの、情報技術系銘柄の日経平均への影響が大きく、72円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では予想比改善した米新規失業保険発表後に、米長期金利が上昇。ドル円は節目の140円を回復しました。その後発表されたフィラデルフィア連銀景況指数や、中古住宅販売、消費者信頼感などの米指標は軒並み不冴えな結果となりましたが、米金利も為替も反応薄で、ドル円は140.49まで続伸し、140.07レベルで東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、引き続き一目均衡表の「雲」の上での推移。昨日の上昇で下落してくる転換線をかわした他、7/12に割り込んだ3月下旬からのサポートラインの上に戻りつつあります。
本日発表された6月の本邦全国消費者物価指数はヘッドラインが前年同月比で3.3%に上昇。同じ期間の米国の消費者物価指数3.0%と逆転する形となりました。
ここまで、急速な利上げで上昇した物価を抑え込んできた結果として物価が下がった米国と、主要国で唯一大規模金融緩和を継続して漸く物価が上昇してきた日本とは背景が違い、コア部分では引き続き米国の消費者物価のほうが高い状況です。また、米国との比較の問題であり、植田総裁の言う、本邦の物価上昇が「持続的・安定的な物価上昇」ではないとする考え方とも必ずしも矛盾するものではありません。
とはいえ逆転は逆転、米国より(消費者)物価指数が高いにもかかわらず日本の政策金利が米国よりも5%も低いという違和感が、市場に与える圧迫は無視できないものと思われ、また、今後の日銀の政策軌道修正にも影響を与えうる転換点としても、注意が必要です。
ドル円日足
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