米指標などに一喜一憂も基本はレンジ取引か
〇本日のドル円、138.70レベルで寄り付き138.90-95へ上昇するも、その後じり安で138.30レベルへ軟化
〇先週末安値137.25を更新することなく、ドルの下値模索も取り敢えずは一服か
〇来週予定されている日米中銀の金融政策発表をにらみ、137-139円台での一進一退が続く可能性
〇ドル円予想レンジは137.70-139.00、ドル高・円安方向は本日東京高値の138.90-95が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値137.99を目指す攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場もドルが小安い。しかし、本日も138円台での推移をたどっており、上値は重いが下値も堅かった。
ドル/円は138.70円レベルで寄り付いたのち、日中高値の138.90-95円を示現。しかし、139円台には乗せられず、その後ドルはじり安推移をたどると138.30円レベルまで軟化している。終盤もそのままドルは低位揉み合いをたどるなか、16時現在ドル/円は138.35-40円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシアの穀物輸出合意破棄」と「中国情勢」について。
前者は、17日に期限切れを迎えたウクライナ産農産物の輸出合意について、ロシア大統領府のペスコフ報道官が「合意の履行を停止した」と正式に発表し、物議を醸す。続けて、自国の要求が満たされれば「直ちに復帰する」などとも述べていたが、世界各国からは非難が相次いでいた。たとえばブリンケン米国務長官は「ロシアの決定は非良心的」、米NSC報道官も「黒海穀物合意停止は数百万人に損害を与える」と発言していたほか、開催された国連理事会閣僚級会合では、合意停止の「再考」求める声が相次いだという。
対して後者は、昨日東京時間に発表された中国の4-6月GDPが予想を下回ったことが思惑を広げていた。ブルームバーグでは「複数エコノミストが中国の経済成長率見通しを軒並み引き下げ」と報じている。一方、それとは別に台湾副総統が8月に米経由で南米パラグアイを訪問することに、中国外務省が噛み付くと「いかなる名目や理由であれ、台湾独立分離主義者の卑劣な訪問に断固反対し、台湾独立分離主義者を支援する米国のいかなる共謀にも断固反対する」との声明を発表していた。なお、そうしたなか訪中しているケリー米特使は中国首相らと会談。両首脳による直接会談の調整などを行ったという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、6月末高値145.07円を起点に137.25円まで8円近い下押し。それを受けリスクはドル安方向にバイアスがかかるものの、ドルの下値模索も取り敢えずは一服か。実際、昨日は前述した先週末安値137.25円を更新することが出来なかった。来週、市場で注視されている日米中銀の金融政策発表が予定されていることもあり、今週は基本それにらみか。137-139円台での一進一退が続く可能性も否定できない。
市場は引き続き日米金融政策を注視するなか、短期的には発表される米経済指標や企業決算の内容にまずは要注意だ。前者でいえば本日は6月の小売売上高が発表される見通しで、こちらがまずは注視されている。また、徐々に市場筋のサマーバカンス入りが取り沙汰され始めるなか、昨日正式発表された「ロシアの穀物輸出合意破棄」や北朝鮮情勢なども波乱要因として挙げる向きもある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は下値リスクがくすぶるものの、本日東京では終日138円台で推移するなど底堅さもうかがえる。このあと138円台を再び割り込んでも、先週末安値137.25円近くには移動平均の90日や200日線も位置しており、かなり底堅い値動きが見込まれそうだ。
それに対するドルの抵抗は東京高値の138.90-95円などとなる。
本日は米経済指標として、6月の小売売上高や同鉱工業生産が発表されるほか、インドで行われているG20財務相・中銀総裁会議は本日が最終日となる見込み。また、モルスタなど金融機関を中心とした米企業の決算発表もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは137.70-139.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値の138.90-95円が最初の抵抗。超えると昨日高値139.40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の137.99円を目指す攻防にまずは注目。90日なども近い137.25円を目指す展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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