ドル安リスク残るが下値トライは目先一服か
〇本日のドル円、138.75-80で寄り付いたのち基本はレンジ取引、16時現在138.40-45で推移
〇東京は休場、中国の経済指標発表、市場の反応はいまひとつ
〇ドルの下値模索一服だが上値重そう、次の材料にらみ138-139台を中心とした一進一退が続くか
〇7/17の7月NY連銀製造業景況指数をはじめ、米経済指標発表、欧州通貨当局者の講演に注意
〇来週予定されている日米中銀それぞれの政策発表に注目
〇ドル高・円安方向は、先週末高値の139.16が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日アジア安値の138.35-40がごく目先のサポート
〇ドル円予想レンジは138.10-139.30
<< アジア市場の動き >>
週明け17日のアジア市場はドルが小安い。しかし、下値は138.35-40円までと、138円台から外れることはなく底堅かった。
先週末は、閣僚会合で「英国がTPPに正式加盟」することが承認され、12ヵ国体制になると発表された。また、G20の財務相・中銀総裁会議を前に、G7の同会議が開催されたが出席した鈴木財務相は「外国為替相場に関する議論はなかった」と発言している。
そうした状況下、ドル/円は138.75-80円で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。138円台の50ポイント程度のなかで一進一退をたどっており、明確な方向性も乏しかった。東京が「海の日」で休場となるなか、中国の経済指標がまとめて発表されたものの、市場の反応はいまひとつ。結局ドル/円は16時現在138.40-45円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「広義の欧州情勢」と「米中関係」について。
前者は、幾つか気になる動きがあり、そのひとつが前述した「英国のTPP正式加盟」。また同じ英国でいえば、英紙タイムズが「ウォレス国防相、9月予定の内閣改造で退任意向」と報じており、こちらも別途話題となっていた。またそれとは別に、ルッテ政権崩壊にともなうオランダの総選挙が11月22日に行うことが確定、韓国大統領がウクライナを電撃訪問したことなども思惑を呼んでいたようだ。
対して後者は、中国外交トップの王政治局員が、出席している東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議で、名指しを避けながらも「『航行の自由』という名の覇権は認めない」と発言。一方でケリー米大統領特使(気候変動問題担当)が16日から19日までの日程で訪中しているとされ、物議を醸していたようだ。米中間の対話に具体的な進展はあるのだろうか。一方、米財務長官は訪問先のインドで、中国製品への高関税を引き下げることに慎重な立場を示したと報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週末、ザラ場ベースでは137.25円を示現し直近安値を下回るも、NYクローズは138円台で日足も陽線引け。そののち、本日アジアでもドルは同じ138円台で底堅く推移しており、予断を許さないものの、ドルの下値模索も取り敢えずは一服したようだ。ただ、ドルの上値は重そうで140円というレベルは少し遠のいたか。次の材料にらみで138-139円台を中心とした一進一退が続く可能性もある。
市場は引き続き日米金融政策を注視しており、そうした意味では来週予定されている日米中銀それぞれの政策発表に注目だ。ちなみに、米国については「金利の引き上げ打ち止め」が示唆されるか否か、対して日本は「金融政策の修正」が図られるかどうかが注視されている。今週はそんな来週の材料をにらみつつ、発表される米経済指標の内容などに基本は一喜一憂か。本日についても、7月のNY連銀製造業景況指数発表を警戒する向きもあるようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末137.25円まで下落したものの、移動平均ではその下に位置する90日や200日線にサポートされると138円台へ。ただ、ドルの戻りも現在138円半ばに位置する一目均衡表の先行帯の上限に絡み、さらなる上昇が阻まれているようにもみえる。このあとしっかりと上抜け、逆に雲の上限をサポートにするようだと、さらなる戻りも期待できる。
本日は米経済指標として、7月のNY連銀製造業景況指数が発表されるほか、インドでG20財務相・中銀総裁会議が実施される見通しだ。また、欧州通貨当局者の講演なども幾つか予定されており、そちらも一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.10-139.30円。ドル高・円安方向は先週末高値の139.16円が最初の抵抗。超えると139円後半を目指すが、140円は近くて遠いイメージも。
対するドル安・円高方向は、本日アジア安値の138.35-40円がごく目先のサポート。下回れば138円割れも見込まれるが、90日などがサポートとなり下値は取り敢えず堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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