ドル円、NY連銀製造業指数の良好な結果で急伸するも139円台を維持できず反落
〇ドル円、欧州時間に138.01まで下落後、米国時間にかけ一時139.41まで急伸
〇NY連銀製造業景気指数の改善と米長期金利上昇、イエレン財務長官の景気楽観発言等が支持
〇買い一巡後は米長期金利の反落受け138円台後半に軟化
〇ユーロドル、一時1.1249まで上昇し年初来高値更新するも、高値圏での一進一退
〇ドル円、90日線や200日線に確りとサポートされて雲上限を突破、下げ止まりの兆し
〇下押し要因残るも、大幅なポジション調整が済み、ここからの売り進み難しいか
〇レンジ相場の継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:138.00ー139.50
海外時間のレビュー
週明け17日(月)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感を見出せず。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)株式市場の背えない動き(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、欧州時間にかけて、安値138.01まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)米7月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果+1.1、予想▲3.5)の市場予想を上回る結果や、(4)上記3を背景とした米長期金利の反転上昇、(5)イエレン米財務長官による「米国のリセッションは想定していない」「米景気は減速したが労働市場は非常に力強い」との楽観発言、(6)短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値139.41まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)日銀による金融緩和の修正観測や、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間7/18午前5時30分現在)では、138.71前後まで反落する動きとなっております。
週明け17日(月)のユーロドル相場は高値圏で一進一退。(1)ジェンティローニ欧州委員会経済担当委員による「2024年のインフレ率は2%に接近する見込み」「コアインフレ率の低下には時間がかかる見通し」とのタカ派的な発言や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)前週末金曜日(7/14)高値1.1245突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、約1年5カ月ぶり高値1.1249まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)株式市場の冴えない動きや、(5)独債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(6)米7月ニューヨーク連銀製造業景気指数の市場予想を上回る結果、(7)上記6を背景とした米長期金利の反転上昇が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1204まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間7/18午前5時30分現在)では、1.1240前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前週末金曜に記録した約2ヵ月ぶり安値137.25(5/17以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、昨日は一時139.41まで持ち直しました。90日移動平均線や200日移動平均線に確りとサポートされて反発に転じたことや、一目均衡表雲上限を突破したこと、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォークが消失したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、下げ止まりの兆しが確認されます。米FRBによる金融引き締め休止観測(米国のインフレ鈍化期待)や、日銀による金融緩和の修正観測、それらに伴う円キャリートレードの解消期待など、依然としてファンダメンタルズ的な下押し要因(ドル売り・円買い要因)は残っているものの、既に直近2週間で大幅なポジション調整(6/30高値145.07→7/14安値137.25)が済んでいることや、来週の重要イベント(米FOMC、日銀金融政策決定会合)を前に様子見ムードが広がりつつあること、今週はそもそも重要イベントに乏しいこと(ブラックアウト期間入りで米当局者イベントも予定なし)等を踏まえると、ここからどんどん売り進んでいくことも難しいと考えられます。
以上を踏まえ、当方では138.00ー139.50を中心としたレンジ相場の継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米6月鉱工業生産(22:15)、米6月設備稼働率(22:15)、米5月企業在庫(23:00)、米7月NAHB住宅市場指数(23:00)、米5月対米証券投資(29:00)が予定されております。
本日の予想レンジ:138.00ー139.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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