米雇用統計の関心高い、ドル反騰高となるか(7/7夕)

7日の東京市場はドルが冴えない。途中までは底堅かったが、終盤にかけて下げ足を加速させている。

米雇用統計の関心高い、ドル反騰高となるか(7/7夕)

米雇用統計の関心高い、ドル反騰高となるか

〇本日のドル円、143.80-144.20のレンジで一進一退をたどるも終盤に底割れ、143.35レベルまで続落
〇昨日発表のADP雇用統計は好数字でドルの支援要因となる、雇用統計に対する期待感も根強い
〇ドル円相場は気迷い商状、明確な方向性は定まっていないが、今後は上下どちらにも振れ易くなった感も
〇米雇用統計の結果が良好な内容となれば、ドルが大きく買い進められる可能性
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは142.50-144.50、ドル高・円安方向は143.80レベルが弱い抵抗
〇ドル安・円高方向は、東京安値143.35レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はドルが冴えない。途中までは底堅かったが、終盤にかけて下げ足を加速させている。

ドル/円は144.05円レベルで寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。143.80-144.20円といったなかで一進一退をたどるも終盤に底割れ。前日に続く格好で、日経平均株価が大幅安で引けたことなどが嫌気されていたようだ。143.35円レベルまで続落となり、16時現在でも、ドルはそのまま安値圏で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米中情勢」と「米金融政策」について。
前者は、北京を訪問しているイエレン米財務長官が、7日午前に中国の劉前副首相そして午後には政権ナンバー2の李強首相と会談を行った。経済分野での直接対話を通じ、両国間で高まる緊張を緩和する狙いがありそうだ。また、気候変動問題担当のケリー米大統領特使が今月中旬にも訪中する見通し、といった報道も別途確認されており、対話機運がかなり高まっていることは間違いなさそう。ただ、その一方で中国が外国企業の排除を進めるとともに、「政府機関などで使用する情報システムの『全面国産化』を指示した」といった報道も散見されており、道のりは決して平たんでないようだ。

対して後者は、6日発表された米雇用指標は好悪が混在。しかし、市場ではもっとも注目度の高かったADP雇用統計が事前予想の2倍以上とかなりの好数字になったことを好感、ドルの支援要因となっていた感がある。また、そののちダラス連銀総裁からは「さらなる利上げが必要になる公算が大きい」との発言もあり、ドル/円は143円台から144円台半ばへと一時ドル高が進行していた。なお、「6日のADP雇用統計と7日の米雇用統計は別物」といった声も聞かれるが、それでもADPが良好だっただけに、本日の米雇用統計に対する期待感もかなり根強いものがありそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は気迷い商状。昨日東京で143円半ばまで一時下落したものの、その後のNYで持ち直して高値144.65円へ。しかし、先で取り上げたように本日東京で再び軟落、143円半ばも割り込んでいる。なかなか激しい上下動だが、明確な方向性は定まっていない。ただ、いずれにしても短期的なポジションはかなり整理された感があり、今後は上下どちらにも振れ易くなった感がある。方向性は別にして、米雇用統計発表後に再び荒っぽい変動をたどる展開には注意を払いたい。
日米欧の金融政策への注目度が依然として高いなか、先日発表された6月のFOMC議事録要旨は予想よりもタカ派の内容。これに、本日NY時間発表される米雇用統計が良好な結果となるならば、ドルが大きく買い進められる可能性もありそうだ。ただ、ドル/円が再び145円台へと接近する局面では、日本の通貨当局による円安けん制発言も予想されることで、一本調子のドル高・円安にはなりにくいといった声もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は上値に荷もたれ感がうかがえ、ドルは上げ渋り。風向きの変化と思しき動きも観測されている。ただ、やはり米雇用統計の結果次第で、仮に良好な内容となれば、一転してドルは年初来高値の更新をうかがうような展開もありそうだ。
しかし、逆に雇用者数の悪化などによりドルが弱含みとなった場合には、現在右肩上がりをたどり、142円半ばまで値を上げてきた21日線がターゲットに。

本日は米経済指標として、6月の雇用統計が発表される予定だ。前述したように、昨日発表された米雇用指標は好悪混在ながら、ADP雇用統計の良好さもあり、本日の米雇用統計についても市場では期待感が根強い。ちなみに、市場でもっとも注視されている非農業部門雇用者数は、プラス22.5万人程度が見込まれている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.50-144.50円。ドル高・円安方向は143.80円レベルが弱い抵抗で、抜ければ144円台回復も。
対するドル安・円高方向は、東京安値143.35円レベルの攻防にまずは注目。下回ると143円割れから、21日線が視界内に捉えられるだろう。

米雇用統計の関心高い、ドル反騰高となるか

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