米6月雇用統計の予想
本日、6月の米雇用統計関連の数値が発表されます。前回5月は非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大きく上回りましたが、失業率と平均時給は悪化しています。ドル円相場は発表前138円90銭付近で推移していましたが、発表後は非農業部門雇用者数(NFP)を好感したドル買いに140円07銭の高値を付け、139円92銭で引けました。
その後も14日のFOMCで年内2回程度の利上げ継続見通しにドル買いが続き、6月30日に145円07銭の高値を付け、7月に入ってからは144円台で堅調に推移しています。昨日は143円台半ばまで下押ししましたが、ADP社の異常な結果にドルが買い戻され、状況は依然として、日米金融政策格差が材料になっています。
さて、今回6月の数値は失業率がやや改善予想、非農業部門雇用者数(NFP)が前月より低下するものの、引き続き安定推移、平均時給の年率はやや低下予想になっています。個別ではまず失業率ですが、6月時FRBの2023年末予想が4.1%(3月時4.5%から大幅な改善修正)ですので、今回も予想レンジ内で推移していくと思われます。労働市場の堅調さが継続利上げの1要因になっているので、余程悪化していかない限り、FRBの金利据え置き予想への変更とはなり難いと思います。非農業部門雇用者数(NFP)は前月よりは減りますが、まだ堅調推移です。昨日6月のADP社民間雇用者数が49.7万人になり、予想22.5万人の倍以上の結果になりました。5月も26.7万人(当初の27.8万人から小幅下方修正)でしたので、単純にみて5月のNFP−ADP=7.2万人ですので、今日のNFPも上振れの可能性はあります。
下図(2)を見ると、概ねNFPとADPは相関しており、今回は異常な乖離になっていますが、仮に今回予想通りでも来月以降には修正の可能性があります。平均時給は、下図(1)を見ると、昨年3月の高値5.9%から下降トレンドを継続しており、最近数ヶ月は横這いになる流れもありましたが、再度下落見込みになっています。黒いトレンドラインからは大きく下回っている状態になっています。また5月のPCEコアは4.6%でしたので、まだ実質可処分所得の方が低い状態が続いています。
今回予想
(7月6日18時00分現在:直前の数値を再確認お願いします)
(1)平均時給
(前年比)
(2)ご参考
昨年8月からADP社民間雇用者数の数値公表が再開されました。2021年以降のADP社とNFPを比較しています。再開当初はかなりの凸凹がありましたが、最近はだいぶ相関性が高くなっています。概ね、NFP(青)>ADP(オレンジ)になっていますが、6月はその差を取り戻すかのADP社の上振れです。
下図はドル円の週足チャートです(2023年7月5日の終値まで)。
2021年1月4日週底値からのサポートA(=126円10銭)で2年以上に亘るドル高トレンドを支えています。そして昨年3月7日週底値からのサポートB(=133円60銭)からドル高は加速しました。昨年10月に151円95銭の高値を付けてからドル高調整になりましたが、それも今年1月16日週に底値を付け、現在は昨年8〜10月のような急激なドル買いが再開されたパターンになっています。
ドル上げが急激なので目先の高値はどの辺りにあるのかを探ってみると、直近の高値を結んだ抵抗線C(=146円00銭)が出来ます。ここから平行に下してみると、4月3日週底値からの実体を結んだサポートと平行になりました(一部は下ヒゲだけ抜けた形です)。このサポートをD(=142円00銭)とすると、現在はCとDとでドル高トレンドになっています。この間にある目先の上値は昨年9月5日週やその翌週などの高値を結んだ抵抗線E(=145円10銭付近)があり、昨日までの高値はここで止められています。従い、Eを越えればCが目指す次の高値目途、更に、昨年10月の実体部分の高値であるF(=148円65銭〜90銭)辺りが目安になりそうです。下値は万一Dを切った場合は5月上旬まで止められていた抵抗線G(=136円50銭〜70銭)辺りがドル高調整からのサポートになりそうです。
(2023年7月7日7:00、1ドル=144円07銭)
オーダー/ポジション状況
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