ドル売り優勢、ただドル高基調は変わらずか
〇東京市場ドル円、夕方に143.60-65まで下落して安値圏で推移、欧米市場を迎える
〇日経平均株価終値ベース500円以上の下落で、リスク回避志向が強まった模様
〇6/5発表の米経済指標は好悪混在だが、タカ派的なFOMC議事要旨がドルの支援要因に
〇7/7発表の米6月雇用統計を前に、本日6月ADP雇用統計、ISM非製造業総合指数等にも要注意
〇ドル高・円安方向はこれまでサポートだった144円レベルが抵抗としてまずは意識されそう
〇ドル安・円高方向は、143.30レベルに弱いサポートが位置、下回ると143円レベルの攻防に注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは143.00-144.30
<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場はドルが弱含み。144円をしっかりと割り込み、6月27日以来の安値まで一時下落した。
ドル/円は「寄り付き高・大引け安」の展開。寄り付いた144.65円レベルを日中高値に緩やかな右肩下がり。今週安値143.99円も下回ると、そのまま夕方には143.60-65円まで、約1円値を下げている。日経平均株価が終値ベースで500円以上下落したことなどが嫌気され、リスク回避志向が強まったようだ。16時現在でも、ドルはそのまま安値圏で推移、欧米市場を迎えた。
一方、材料的に注視されていたものは「ウクライナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、英紙フィナンシャル・タイムズが「中国の習国家主席、ウクライナでの核兵器使用をめぐりプーチン大統領に警告」と報じ一時話題に。しかし、ペスコフ報道官は「フェイクニュース」とFT紙報道を否定したという。一方、それとは別にロシア軍の支配下にあるウクライナのザポロジエ原発をめぐる懸念は依然として根強い。前日に「主要な外部電源への接続が切れた」などとされた事象はそののち、IAEAから「再接続された」との発表がなされたものの、ロシア軍による爆発物設置などをめぐる懸念は依然として払拭しきれていないようだ。
対して後者は、5日発表された5月の製造業受注指数など米経済指標は好悪が混在。しかし、その後発表された「6月のFOMC議事要旨」が予想よりもタカ派だったとしてドルの支援要因に。たとえば、同会合では利上げ停止が決定されていたのだが、「当局者の大半はいずれ追加利上げが必要になると予想していた」ことが明らかにされている。結果として、週末の米雇用統計待ちの様相で影響は限られたが、ドルの潜在的な買い要因となっていることは間違いないだろう。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日もドル/円は144円を割り込めなかった。だいぶ底堅い感があると思った矢先、本日東京で難なく下回ると一時143.60-65円に。まだドル高方向のリスクが高いという基調そのものに変化はなさそうだが、風向きの変化は気掛かりだ。明日発表の米雇用統計の結果如何で本格的な基調転換をたどることもあり得る。その場合には、現在急激な上昇をたどっている移動平均の21日線をめぐる攻防にまずは注目だ。
日米欧の金融政策への注目度が依然として高いなか、前述したように昨日発表された6月のFOMC議事録要旨は予想よりもタカ派の内容になった。本日東京時間のドル/円は冴えなかったが、飽くまでも金利差に着目すればドルが大きく売られる展開はやはり見込みにくいだろう。そうしたなか、発表される米経済指標とともに、東京で日経平均株価が大きく下落しただけに、NYダウなどの動きを警戒する声もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は3日続けて高値を更新できなかったうえ、本日東京時間に143.60-65円まで下落するなど、風向きの変化と思しき動きが観測されているところは気に掛かる。ただ、それも基本は明日の米雇用統計次第か。仮に良好な内容となれば、一転してドルは年初来高値の更新をうかがうような展開もありそうだ。
逆に足もとドルが続落した場合のサポートはまず143円前後。それも下回ると右肩上がりをたどる21日線が視界内に。
本日は米経済指標として、6月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数などが発表される見込みだ。メインは明日発表の6月雇用統計だが、本日も発表される米雇用関連指標の内容にはとくに注意を払いたい。数値如何では明日を待たずに荒れ模様の相場をたどる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.30円。ドル高・円安方向はこれまでサポートだった144円レベルが抵抗として、まずは意識されそうだ。抜ければ144.20-30円や本日東京の144.65円レベルなど。
対するドル安・円高方向は、143.30円レベルに弱いサポートが位置しており、下回ると143円レベルの攻防に注目。引き続き底堅いイメージもあるが果たしてどう動くか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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