アメリカ5月貿易収支の予想
本日21時半に米国5月貿易収支が発表されます。前回4月は予想より僅かながら赤字額が減りました。今回5月予想は▼690億ドルで、一段と減ります。既発の5月商品貿易収支(下図@の灰色折れ線)は▼911億ドルで4月の▼971億ドルから赤字額の減少となっているので、今回の予想数値は妥当水準といえます。
因みに商品貿易の赤字拡大は前月との収支差▼60億ドルのうち、輸出▼10億ドル減、輸入▼69億ドル減となっており、内外需共に落ち込んでおり、特に内需の落ち込みが大きくなっています。
また、下図Aは財+サービスを合計した月別の輸出入になっていますが、これを見ても輸出入共に下降トレンドを継続しています。特に青色(輸出)の矢印の方が下げの傾きが強くなっており、貿易収支は赤字額が増える流れにいます。商品のみをみても5月は特に輸入減少による赤字幅縮小なので、Aの下降トレンドは今月も脱却できないと思います。
(今回予想:2023年7月6日8:30現在)
@ 4月までの推移と今回予想値
(発表値は黄色の折れ線、今回分は青の矢印)
灰色の折れ線:モノの貿易収支
黄色の折れ線:モノとサービスの収支(通常発表分)
青の棒グラフ:対中国
オレンジ :対日
上図の〇印は対中の赤字推移を示しています。この半年間程度、対中の赤字額減少傾向が止まっていますが、さりとて赤字拡大の勢いも感じられません。中国経済の先行き動向が不透明なので、再度青の棒グラフが下がってくると世界経済全体の動向も注意する必要がありそうです。
A 月別輸出入額(2023年4月迄)
(単位: 億ドル)
今日は貿易収支の前後に下記指標の発表が予定されています。
(今回予想:2023年7月6日8:30現在)
下図はユーロドルの日足チャートです。今年3月15日底値からのサポートA(=1.0690)とそこから平行に上げた目安のB(=1.1210)で緩やかなユーロ高トレンドラインを形成しています。
このライン内で5月3日高値からの抵抗線C(=1.0995)で上値を抑え込まれ、一方、5月31日底値からのサポートD(=1.0820)で3角保合いを形成しています。現状は1.0850絡みに横サポートがあり、そしてこのDが守られるか否かの水準までユーロが押されています。
直近の上値は6月22日高値からの抵抗線E(=1.0920)がきているので、DとEで約100ピップスの収斂になっています。
今日はADP社民間雇用者数を皮切りに、この貿易統計、そしてISM非製造業景況指数が予定されており、明日は注目の6月失業率になります。この100ピップスの狭いレンジで終わるとは思えませんので、D抜けでAまで押すのか、あるいはCを越えて、ユーロ高トレンドに回帰するのかをみたいと思います。
(2023年7月6日10:00、1ユーロ=1.0850ドル)
オーダー/ポジション状況
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