東京市場のドルは144円台割り込む、アジア株急落でポジション解消の動き
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、中国の景気回復の遅れや米金融引き締めの長期化などがリスク要因となり、ドルポジション解消の動きが先行、144円台割れとなった。
前日の海外時間では、公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨にて、大半の委員が年内の追加利上げを予想していたことが明らかとなったが、ドルへの影響は限定的。144円台前半から半ばでの小動きが続いた。
朝方の東京時間は、海外時間の流れを引き継ぎ小動き推移となったが、昼頃、様相が一変。米中関係悪化や中国経済の停滞などが意識されて日本株を含め、アジア株が下げ幅を拡大。FOMC議事要旨を受けて、米金融引き締めの長期化懸念で米国株先物も弱かったことなども影響し、ドルは144円台割れとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:144円56銭
高値:144円57銭
安値:143円69銭
終値:143円72銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円89銭
高値:156円91銭
安値:155円84銭
終値:156円97銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円17銭
高値:96円31銭
安値:95円61銭
終値:95円72銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円62銭
高値:183円64銭
安値:182円57銭
終値:182円81銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33058円40銭
高値:33079円45銭
安値:32637円72銭
終値:32773円02銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、英、英中銀インフレ期待調査
21時15分、米、ADP雇用報告(前月比)、前回:27.8万人、市場予想:24.1万人
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:23.9万件、市場予想:24.6万件
21時30分、米、貿易収支、前回:−746.0億ドル、市場予想:−683.0億ドル
21時45分、米、ローガン・ダラス連銀総裁が討論会に出席
23時00分、米、ISM非製造業景気指数、前回:50.3、市場予想:51.2
23時00分、米、JOLTS求人件数、前回:1010.3万人、市場予想:997.0万人
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、6月まで拡大するバンド上限を意識したバンド・ウォークが確認できたが、7月以降は上げ一服。9日MA(144円27銭)を明確に割り込んでいる。
日足の一目均衡表では、雲上限(138円15銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから需給面は非常に良好だが、目先、昨年一回目の為替介入が入った9月の水準である145円の水準に乗せたことから達成感が意識されつつある。
今晩から明日にかけて、重要な米経済指標の発表が相次ぐことから、本日の東京時間は様子見ムードが強まる展開を想定していたが、思わぬ下げ地合いとなった。アジア株式市場では、香港ハンセン指数が一時、前日比3%超の下落となったほか、台湾加権指数、日経平均が同1.7%ほど下落した。「米金融引き締めの長期化」が下げ要因と言われているが、既に先月のFOMC時点で分かっていたことだけに、アジア株下落の要因は、こうしたリスク要因を総合して、大口の機関投資家が傾いていたポジションを一部解消しただけではないかと考える。加えると、日経平均の下げはこうしたアジア株の急落に、25日移動平均線割れといったテクニカル要因も加わったと推測する。
今晩から明日にかけて発表される米経済指標が強い数字となった際、素直にドル上昇となれば、ポジション調整は一巡と理解したほうが良さそうだ。まずは、21時15分のADP雇用報告に注目だ。明日の雇用統計の前哨戦ともいわれる経済指標のため、雇用拡大の有無がタイムリーにドルへの売買材料となろう。
今晩のドルは、21時台から23時台の米経済指標に注目となる。強い数字となれば「往って来い」の可能性は十分あろう。本日の上値メドは、年初来高値水準を下回る145円00銭、下値メドは本日の安値水準を下回る143円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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