ついに145円台を示現、ドル強保ち合いか(6/30夕)

30日の東京市場はドルが小安い。一時昨年11月10日以来の145円台を示現したものの続かなかった。

ついに145円台を示現、ドル強保ち合いか(6/30夕)

ついに145円台を示現、ドル強保ち合いか

〇本日のドル円、145.05-10へと値を上げ高値示現するも利益確定売りなどに押され小安い
〇昨年9月介入前の神田財務官の発言と比べ、鈴木財務相の円安牽制発言に切迫感うかがえず影響は限定的
〇ドルの下値は堅く基本的に強保ち合い。目先の下値確認後にドル再上昇へ転じる見方が有力
〇ドル高円安方向は本日東京高値145.05-10が最初の抵抗、上抜けると145.30-40が次のターゲットに
〇テクニカルにはフィボナッチポイント146.10レベルもターゲット
〇ドル安円高方向は、昨日安値144.13をめぐる攻防に注目、実弾介入なければ下値は堅く限られそう
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.00-145.30

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はドルが小安い。一時昨年11月10日以来の145円台を示現したものの続かなかった。

ドル/円は144.75-80円で寄り付くなか、月末ゴトー日の仲値不足観測などもありドルが小じっかり。前日高値144.90円を超えるとそのまま145円台、145.05-10円へと値を上げている。しかし、高値示現後は利益確定売りなどに押される展開。鈴木財務相から「行き過ぎた動きには適切に対応する」とした円安けん制発言が聞かれたこともあってか、終盤に掛けては144円半ばまで一時値を崩していた。16時現在ではそのままドル安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日米金融と為替スタンス」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、ポルトガルで開催されたECB年次フォーラムに参加したパウエルFRB議長と植田日銀総裁が28日に対照的な発言。パウエル氏は追加利上げを示唆した反面、植田氏は利上げ慎重スタンスを維持しており、改めてドル買い・円売りの要因になった。その流れを継ぎ、前述したように本日東京時間には一時145円を示現したわけだが、一方で鈴木財務相からは繰り返し円安けん制発言が聞かれていた。しかし、具体的な発言内容はというと、「急速で一方的な動きもみられる」、「為替市場の動向に高い緊張感もって注視」といったもので、まだ切迫感はうかがえない。ちなみに昨年9月の介入前は、神田財務官から「スタンバイの状態と考えていい。いつでもやる用意がある」−−とのコメントが発せられていたことは記憶に新しいところだ。

対して後者は、米紙WSJが「米国によるウクライナへの長距離ミサイルシステム供与をめぐる承認が間近に迫っている」と報じ、話題になるも米国防総省はこの報道を否定。「近く何らかの決定があるとは承知していない」とコメントしている。ただ、そうしたなか2024年の次期米大統領選の共和党候補指名争いへの出馬を表明したペンス前副大統領がウクライナを電撃訪問。ゼレンスキー大統領と会談したと伝えられ、別の意味で思惑を呼んでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は本日も年初来高値を更新。これで4日連続になる。そして昨年9月に当局の円買い介入が観測された145円レベルを一時超えてきた。そうしたなか、市場では一旦の達成感を指摘する向きもあり、実際そののちは144円半ばまで調整売りに押されているものの、大きな流れに変化はなさそう。ドルの下値は基本的に堅そうで、基本的には強保ち合いか。また、目先の下値確認後にドルは再上昇へと転じるといった見方が有力だ。
引き続き日米欧の金融政策に関心を寄せる向きが多いなか、単純な金利差ということでいえば円がもっとも売られやすい通貨であることに間違いはない。確かに日本当局の円安けん制姿勢は気掛かりだが、円全面安の様相だけにドル/円の上昇を食い止めることは困難といった指摘も聞かれている。また、21日付の日経新聞が「円買い介入、容易にならず」と報じていたように、実弾介入が「抜けずの宝刀」を呈しつつあることを懸念する声も。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日東京時間に年初来高値更新。しかし、一時回復した145円台は維持出来なかった。チャート的には本日高値をこのあと上抜けば、少し遠いがフィボナッチポイントの146.10円レベルがターゲットに。
それに対してドルのサポートは、まず昨日安値の144.13円。144円前半は時間足で見た場合、直近に何度か下げ止まっており、なかなか底堅いイメージだ。

本日は米経済指標として、5月のPCEデフレーターや6月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定だ。追加利上げ観測が強いだけに、弱い数字が出た場合にはとくに要注意。そのほか、EU首脳会議への警戒感も高い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.00-145.30円。ドル高・円安方向は本日東京高値の145.05-10円が最初の抵抗。上抜けると145.30-40円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値144.13円をめぐる攻防に注目だ。しかし、下回っても実弾介入でないなら下値は堅く限られそう。

ついに145円台を示現、ドル強保ち合いか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る