ドル高継続も上値重い、高値更新は一服か(6/27夕)

27日の東京市場は揉み合い。143円半ばを中心としたレンジ取引で、明確な方向性も乏しかった。

ドル高継続も上値重い、高値更新は一服か(6/27夕)

ドル高継続も上値重い、高値更新は一服か

〇本日のドル円、明確な方向性乏しく、143.30-65といった40ポイント足らずの往来相場に終始
〇週明けは高値更新ならず、ドルの上値の重さが続く場合、調整の動きが一時的にでも加速する可能性も
〇しかし引き続きドル高方向のリスクが高い状況、145円方向に向けた流れに変わりはない
〇発表される米経済指標や、本邦要人の円安けん制発言などにも要注意
〇ドル円予想レンジは142.80-143.90、ドル高・円安方向は昨日高値143.72が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、東京安値の143.25-30の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場は揉み合い。143円半ばを中心としたレンジ取引で、明確な方向性も乏しかった。

ドル/円は143円半ばで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。143.30-65円といった40ポイント足らずのなかでの往来相場に終始している。途中、鈴木財務相から「為替は強い緊張感もって注視、行き過ぎた動きに適切に対応」などといった発言も聞かれたが、新味は乏しく影響はほとんど見られなかった。16時現在では寄り付きとほぼ同じ143円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ワグネルの反乱」と「欧州金融政策」について。
前者は、週末に発生したものの、わずか一日で終戦となった「ワグネルの乱」だが依然として尾を引く格好に。英外相などから「ワグネル蜂起でプーチン氏支持に亀裂が入った」といったロシアの国家基盤の脆弱さを取り沙汰する発言が聞かれるなか、ロシアサイドからはある種の陰謀論が声高に指摘されていたようだ。実際、ラブロフ外相から「ワグネルの武装蜂起に西側諸国の情報機関が関与していなかったか調査を進めている」との発言が聞かれていた。なお、そうしたなか消息不明とされていたワグネル創設者のプリゴジン氏だが、SNSを使い反乱後の初コメントが投稿されている。生存はしているようだが、居場所を明らかにしないなど、いまだはっきりしないことも多い。

対して後者は、ブルームバーグが「ポルトガルのシントラで26日から3日間開かれるECB年次フォーラムで、利上げサイクルの終了について活発に議論することになる」−−などと報じたことが一部で話題に。ただし、リトアニア中銀総裁から「少なくともあと1回の利上げが必要」との発言が聞かれるなど、強気に傾斜しているECBメンバーもいるようだ。いずれにしても動静には要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末まで連日のドル高値更新をたどっていたドル/円だが、週明け26日は更新ならず。基本的には143円台を中心としたドル高値圏での強保ち合いながら、パターンが崩れたことは若干気掛かりか。日本当局の介入警戒感などを背景にドルの上値の重さが続くようなら、嫌気した動きから調整の動きがたとえ一時的にせよ加速する可能性もある。ただし、リスクは引き続きドル高・円安方向にバイアスで、145円方向に向けた流れはまだ変わっていない。
日米欧を中心とした各国金融政策が注目されるなか、本日は6月の消費者信頼感指数などなかなか注目度の高い米経済指標が発表される予定だ。まずはその内容に要注意で、状況如何によっては本邦要人からの円安けん制発言などにも注意が必要だ。一方、それとは別に欧州の金融政策について議論がなされる公算の大きいECB年次フォーラムの行方にも、注意を要したい。

テクニカルに見た場合、ドル高方向のリスクが高いという状況に変化はないものの、円買い介入警戒などもありドル/円はやや上げ渋りの様相だ。仮に144円を超えても145円は近くて遠い存在とも思われる。
それに対して、日本当局の実弾介入がなければ下値は限られそう。現状でいえばまず昨日安値142.94円、そして先週末安値142.67円がかなり強いサポートか。

本日は米経済指標として、6月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表されるほか、欧州を中心とした要人・中銀関係者による講演なども引き続き多く予定されている。また、前述したECB年次フォーラムの動きにも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.80-143.90円。ドル高・円安方向は昨日高値143.72円が最初の抵抗。抜ければ143.87円を目指す。
対するドル安・円高方向は、東京安値の143.25-30円の攻防にまずは注目。下回れば143円割れは否定できないものの、それでも基本的に底堅いイメージだ。

ドル高継続も上値重い、高値更新は一服か

ドル円日足


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