東京市場のドルは143円台半ばでのもみ合い、ドル一段高には材料不足の地合いか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、目立った売買材料に乏しいなか、143円台半ばでのもみ合いとなった。
前日の海外時間では、新たな売買材料が見当たらないなか、日本の通貨当局による円安けん制発言への警戒と日本銀行の金融緩和策の維持を背景とした円売り基調が拮抗し、ドルは143円台でのこう着を強めた。
東京時間もこの流れを継続し、日中値幅は30銭ほどとトレードチャンスに乏しい地合いとなった。株式市場も、日経平均が下げ幅を縮小するものの、月末、四半期末に絡んだ年金筋とみられる売りに押され今年初めて4日続落となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:143円46銭
高値:143円62銭
安値:143円28銭
終値:143円61銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円48銭
高値:156円88銭
安値:156円39銭
終値:156円79銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円76銭
高値:96円44銭
安値:95円67銭
終値:96円39銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円33銭
高値:182円90銭
安値:182円24銭
終値:182円81銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32629円96銭
高値:32689円10銭
安値:32306円99銭
終値:32538円33銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ラガルドECB総裁がECBフォーラム冒頭に挨拶
17時15分、英、ティングラ英中銀委員が講演
17時30分、欧、テンレイロ英中銀委員、パネッタECB理事が討論会に参加
18時30分、欧、エルダーソンECB理事が討論会に参加
21時30分、カ、消費者物価指数(CPI)(前月比)、前回:0.7%、市場予想:0.5%
21時30分、カ、消費者物価指数(CPI)(前年比)、前回:4.4%、市場予想:3.4%
21時30分、米、耐久財受注(前月比)、前回:1.1%、市場予想:−1.0%
21時30分、米、耐久財受注(輸送除くコア)(前月比)、前回:−0.3%、市場予想:0.0%
22時00分、米、S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(前年比)、前回:−1.15%、市場予想:−2.55%
23時00分、米、新築住宅販売件数、前回:68.3万件、市場予想:67.4万件
23時00分、米、コンファレンスボード消費者信頼感指数、前回:102.3、市場予想:103.8
23時00分、米、リッチモンド連銀製造業指数、前回:−15.0、市場予想:−13.0
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に1円超の上影(上ひげ)を残したが、翌16日には上影を吸収し年初来高値を更新する強い地合いが見られる。
日足の一目均衡表では、雲上限(136円14銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから引き続き需給面は良好である。
けん制発言で注目の神田真人財務官が3年目も続投する人事を鈴木財務相が発表した。昨年9月から10月にかけて3回、9.2兆円の円買い・ドル売り介入を行った「令和のミスター円」が続投する。財務官を3年超経験した財務官僚は、過去30年でわずか3人しかおらず、神田財務官が4人目だ。この人事は、円安基調のスピード次第では、直ちに介入を実施する体制があることを投機筋にアピールする意味合いもあるだろう。
その投機筋の動向だが、米商品先物取引委員会(CFTC)の20日時点のデータによると、ヘッジファンドなど投機筋の売買動向を示す「非商業部門」の米ドルに対する円の売越幅は、10万7656枚(1兆3400億円)と2022年5月以来の水準となった。ドルが150円台をつけた昨年10月末時点では、10万2600枚(1兆2800億円)だったことから、投機筋の円売りポジションの拡大余地は小さいと見るべきか。ここから一段の円売りを仕掛けるには投機筋だけの力では足りない。となれば、日本の投資家「ミセス・ワタナベ」の存在が、円売りトレンド継続のポイントとなろう。
今晩のドルは、引き続き円全面安を背景にしっかりだが、一段のドル買いに踏み込む材料にも乏しいことからこう着相場を想定する。本日の上値メドは、年初来高値水準の143円90銭、下値メドは先週末の安値水準でもある142円70銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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