基調変わらず、ドル/円はついに143円台へ(6/23夕)

23日の東京市場はドルが続伸。前日高値を超え、連日の年初来高値更新を記録している。

基調変わらず、ドル/円はついに143円台へ(6/23夕)

基調変わらず、ドル/円はついに143円台へ

〇本日のドル円、終盤にかけて前日記録した143.22を上抜け143.45レベルへ、連日の年初来高値更新
〇英中銀はポジティブサプライズとなる0.5%の利上げ発表、ポンド/円は年初来高値を更新
〇ドル円は連日のドル高値更新、テクニカルには143-144円台にそれほど強い抵抗はない
〇本日、6月製造業PMI速報など発表予定、米地区連銀総裁による講演等の発言機会も
〇ドル円予想レンジは142.20-143.50、ドル高・円安方向は東京高値の143.45レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、東京安値の142.80レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場はドルが続伸。前日高値を超え、連日の年初来高値更新を記録している。

ドル/円は143.10円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。142.80-143.20円といったなかでの一進一退をたどったが、終盤にかけて前日記録した143.22円を上抜ける局面も観測されていた。しかし、日本当局の介入警戒感などもあり上値は重い。ドル高値は143.45円レベルまでで、その後は強保ち合いに。16時現在では143.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、トルコリラ安の流れは依然として止まらず。ドルリラは夕方に掛けて25リラを上抜け、さらなるリラ安が進行していた。

一方、材料的に注視されていたものは「各国金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、事前にもっとも注視されていた英中銀の金融政策発表は、ポジティブサプライズとなる「0.5%の利上げ」実施。利上げそのものも13会合連続となる。そんな予想を超える利上げを受けてポンド/円は年初来高値を更新する182円半ばへと上伸。本日東京もおおむね182円台での推移をたどっていた。一方、英国と同時刻発表されたトルコの政策金利発表は、それを上回るサプライズに。事前に日経新聞が「市場では政策金利を最大30%超へと引き上げるとの予想も出ている」などと伝えるなか、利上げ幅は6.5%で政策金利はわずか15.0%にとどまった。そのため、市場では失望のトルコリラ売りが殺到、その流れは前述したように本日東京時間でも続いていたようだ。

対して後者は、半ば予想されたことではあったが、バイデン米大統領が参加した20日イベントで「習中国主席は独裁者」と発言したことに中国サイドが猛反発。たとえば、中国外務省が「強烈な不満と断固たる反対」を声明として表明するなか、当のバイデン氏は「実質的な影響があったとは思わない」と述べるとともに、撤回する考えのないことも明らかにしている。市場内外から、米中間の対話の再開の機運に水を差すことが懸念されており、今後さらに尾を引く可能性もあり注意を払いたい。一方、それとは別に訪仏している中国の李強首相から、米国を念頭に置いたとみられるデカップリング(経済切り離し)や、「ブロックの対立」に反対しているフランスの立場を称える発言が聞かれていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は連日のドル高値更新で、ついに143円台へと達してきた。以前からレポートしているように、テクニカルには143-144円台にそれほど強い抵抗はないことで、足もとは軽い青天井状態。予想以上に速いスピードで145円レベルへと到達しても不思議はなさそうだ。なお、ポジションの偏りから調整を警戒する声もあるようだが、ここ最近は高値示現後1円程度の下押しという踏み上げを繰り返しているだけに、それほど円ショートは積み上がっていないといった声も聞かれていた。
日米欧を中心に各国金融政策が注目されるなか、昨日は英国やトルコの金利情勢が市場の波乱要因に。このあとも引き続き各国の金融政策には注意を払いたい。本日は目立った中銀による金融政策発表は予定されていないものの、市場では中国の追加利下げ観測が取り沙汰されるなど来週にかけても予断を許さない。ただ、ドル/円が143円台に乗せるなど円安傾向をたどっているだけに、それとは別に日本の通貨当局による円安けん制発言などには十分な警戒を要したいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は連日の高値更新で、リスクも引き続きドル高方向にバイアス。ちなみに、ドル高値151.94円を起点にした大きな下げ幅のフィボナッチでは、61.8%戻しにあたる142円半ばをすでに超えており、次のターゲットは76.4%戻しで146円台になる。さすがに遠く、一朝一夕に到達するとは思われないが、中期ターゲットとして覚えておいて損はないだろう。
それに対するサポートは東京安値の142.80円レベル、そして142.30-50円などか。

本日は米経済指標として、6月の製造業PMI速報などが発表されるほか、米地区連銀総裁による講演等の発言機会もある。米金融政策の強気姿勢を後押しする発言などが観測されればドルの支援要因となる可能性も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.20-143.50円。ドル高・円安方向は東京高値の143.45円レベルが最初の抵抗。抜ければさらなるドル高進行も。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の142.80円レベルの攻防にまずは注目。下回った場合には、それまでの抵抗だった142.30-50円が意識されそうだ。

基調変わらず、ドル/円はついに143円台へ

ドル円日足


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