ドル円143円挟み、日経平均株価の急落で上値の重い展開に
23日午前の東京市場でドル円は143円を挟んで高値圏でのもみ合い。朝方143.11レベルで取引の始まったドル円は、序盤に143.17レベルまで上昇したものの、米国時間の高値143.22には届かず。その後は高寄りした日経平均株価が急落に転じたことから上値の重い展開となり、143円を挟んでの一進一退となりました。ドル円は、一旦は142.81まで下押ししたものの下方向も底堅く、東京時間正午現在は、143.11レベルで取引されています。
日経平均株価は、円安進行と米主要株価指数の下げ止まり傾向から朝方は買いが先行、上げ幅は一時150円を超えました。しかし、昨晩の欧州の中銀の相次ぐ利上げに海外の景況感が悪化。上げを主導してきた海外投資家に利益確定売りの動きが広がるとの見方から、序盤のうちに売り優勢に転じ、以後ほぼ一方向で下落。ほぼ全業種で売られ、542円の大幅安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場ではスイス、ノルウェー、英国、トルコ等の中銀が相次いで利上げを発表。うち、ノルウェーと英国は予想を上回る0.5%の利上げを実施し、主として欧州のインフレ懸念が根強いことを浮き彫りにしました。ドル円はこれらの通貨とのクロス取引による円キャリートレードが強まるとの見方からじりじりと値を上げる展開となり、米住宅指標の好調や、二日目のパウエルFRB議長の議会証言でのタカ派姿勢堅持による米長期金利上昇と相まって、米国時間終盤にかけ一時143.22まで値を上げ、143.10レベルで東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、昨晩からの上昇で、昨年10月高値151.95から今年1月の安値127.23までの下落の61.8%戻し(142.50)を上抜け、今年3月からの上昇チャネルの上限(本日143.21レベル)付近で取引されています。このチャネルを明確に上抜けると、節目の145円や上記フィボナッチの76.4%戻し146.11レベルが視野に入って来ます。
ただ、昨日までに海外の多くの国で(一部は予想以上に)政策金利が引き上げられ、今後も米国はじめ多くの国で追加利上げが予想される中、株式市場を中心に少なくとも一時的にはリスクオフの動きが広がる恐れがあり、週末でポジション調整も入りやすいこと、ドル円については当局の介入警戒感が強まる水準となりつつあること等もあって、今晩、このまま一方向で円安が進行するかはやや疑問です。海外時間の主要国の株価を中心とした市場動向を要注視です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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