連日のドル高値更新、ただ上値は重いか
〇本日のドル円、142.25レベルまで値を上げ、前日記録した年初来高値を再び更新
〇高値示現後は141.60レベルまで急反落するも、そののちV字回復で再び142円台へ上昇
〇日本当局による介入警戒感が強まるが、さらなるドル高の進行の可能性も
〇本日ドル円は昨年11月高値142.25に一時面合わせ、同レベルを上抜けると142円半ばを目指す展開か
〇欧米時間のドル/円予想レンジは141.10-142.40、ドル高・円安方向は142.25レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値141.45をめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場はドルが小じっかり。ドルは連日の年初来高値更新を記録している。
ドル/円は142円前後で寄り付いたのち、なかなか激しい乱高下。仲値に向け142.25円レベルまで値を上げ、前日記録した年初来高値を再び更新した。しかし、高値を示現後は流れが一変し、141.60円レベルまでドルは急反落。ところが下値も堅く下げ渋ると、そののちVの字型の回復で再び142円台へ。16時現在では寄り付きに近い141.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替スタンス」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、先週末に米国が半期に一度の「為替報告書」において、日本を為替操作国監視対象リストから除外したことを明らかにした。一連の措置について神田財務官らが歓迎する意向を表明するなか、実勢相場のドル/円が一時142円台と大きくドル高・円安が進行しており、市場では介入警戒感が日に日に強まる展開となっている。実際、本日東京時間にも鈴木財務相から「必要であれば適切に対応する」、西村経産相も「過度な変動・投機的な動きはしっかりと注視しなければならない」と発言。とくに後者が材料視されていたようで、ドルが一時急落した際のトリガーになっていたようだ。
対して後者は、ゼレンスキー大統領がフォンデアライエン欧州委員長やスナク英首相と電話で協議を行い、軍事支援の強化などが話し合われたもよう。またウクライナ国防省は、軍の反転攻勢によりロシアから8集落を奪還したと発表するなど、ウクライナ寄りの話が目に付いた。ただ、ロシア側からはナルイシキン対外情報局長官による、放射性物質をまき散らすことを目的とした「汚い爆弾」をウクライナが製造している疑いがある動きがある、との発言も聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は連日の高値更新で、ついに142円台へ。リスクは依然としてドル高・円安方向にバイアスがかかり、日本当局の介入警戒感などもくすぶるなか、さらなるドル高の進行も否定できない。しかし、起点をどこから取るのかによるが、仮に3月安値129.65円だとすると上昇はすでに10円を大きく超えているうえ、本日東京で上げ止まった高値142.25円レベルは昨年11月21日高値にピタリと合致するところが気掛かりだ。
注目されていた日米欧の金融政策発表は先週すべて終了し、いわゆる金利差からは円の買いにくい環境は継続となった。ドル/円はさらなる高値をトライしても不思議はないとされるが、前述したように本日東京でも鈴木財務相などから「円安けん制発言」が聞かれ、辛うじて一段の円安進行に歯止めが掛けられている。このあとも米金利や株価の動きをにらみつつ、日本当局の為替対応にも注意が必要だろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京で昨年11月の142.25円に一時面合わせした。引き続き同レベルが目先の抵抗だが、上抜けると高値151.94円を起点とした大きな下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにあたる142円半ばを目指す展開か。また、仮に142円半ばを上抜けてしまうと、軽い青天井状態。143円や144円台などに強い抵抗が見当たらないだけに、ドルは大幅高をたどるリスクが高まるだろう。
本日は米経済指標として、5月の住宅着工件数や同建設許可件数が発表される予定となっている。またNY連銀総裁による討論会参加なども予定されており、本日も通貨当局者の発言には要注意だ。そのほか、中国首相による訪仏などを受けた各国政治ファクターも場合によっては波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.10-142.40円。ドル高・円安方向は本日東京で示現した142.25円レベルが最初の抵抗。抜ければ142円半ばを目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日安値141.45円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると140円後半など少し深めの押しが入る可能性も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2023.06.21
ドル円、約7カ月ぶり高値更新後に反落。本日はパウエル議長による半期に一度の議会証言に注目(6/21朝)
20日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.06.20
東京市場のドルは142円台で推移、引き続き円全面安の地合いでドルは年初来高値更新か(23/6/20)
東京時間のドル・円は、鈴木財務相による発言などが意識されて、年初来高値142円25銭から141円台半ばまで売られたが、すぐに切り返す強い展開となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。