東京市場のドルは142円台で推移、引き続き円全面安の地合いでドルは年初来高値更新か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、鈴木財務相による発言などが意識されて、年初来高値142円25銭から141円台半ばまで売られたが、すぐに切り返す強い展開となった。
昨日の海外時間は、米国市場が休場だったことから目立った商いは観測されず。日本銀行の金融緩和政策と欧米の中央銀行のタカ派姿勢とのギャップを狙った円売りを背景に142円に乗せる場面が見られた。
東京時間では、時間外取引で米2年債利回りが4.75%台でスタートしたことなども影響し、142円25銭まで買われたが、10時前に鈴木俊一財務相が、為替政策に対して「必要であれば適切に対応する」と発言したことなどから、ドル、ユーロなど主要通貨は円に対して反落。日経平均もほぼ同じタイミングで下げ幅をやや広げるなど、10時以降は円買い戻しのような地合いとなった。ただ、円買い戻し一巡後、12時以降は下げ幅を縮小。終わってみればドルは142円台を回復する強い地合いが確認できた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:141円92銭
高値:142円25銭
安値:141円59銭
終値:142円05銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:155円03銭
高値:155円31銭
安値:154円59銭
終値:155円12銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円23銭
高値:97円42銭
安値:96円30銭
終値:96円64銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円64銭
高値:182円09銭
安値:181円17銭
終値:181円54銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33269円57銭
高値:33474円74銭
安値:33089円02銭
終値:33388円91銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時30分、米、ブラード・セントルイス連銀総裁が講演
21時30分、米、住宅着工件数、前回:140.1万件、市場予想:139.8万件
21時30分、米、住宅建築許可件数、前回:141.7万件、市場予想:142.0万件
24時45分、米、バーFRB副議長とウィリアムズNY連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に1円超の上影(上ひげ)を残したが、翌16日には上影を吸収し年初来高値を更新するなど強い地合いとなっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(135円00銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから引き続き需給面は良好と言えよう。
ハト派な日銀に対して、タカ派な欧米中央銀行という構図が市場では強く意識されており、ドイツ銀行が算出する貿易相手国に対する円の強さを示す指数は88と、データが遡れる2000年以降、最低水準となっている。昨年10月と2007年7月につけた90水準を割り込んでおり、国際的にも円の弱さが際立っている。足元のドル買いの背景は円全面安が主要因のため、ドル指数は102水準で推移。昨年10月の114水準と比べると低位安定といったところだ。
ドルは昨年9月に円買い介入を行った水準である145円後半より下ではあるが、国際的な円の弱さを考慮すると、円買い介入を真剣に考えてもおかしくない雰囲気と言えよう。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)、英中央銀行(BOE)が利上げ実施する余地を残している状況下、為替介入を実施しても「その場しのぎ」との見方もある。まずは口先介入を行い「レートチェック」を行ってから介入実施という段取りを考えれば、まだまだ口先介入を繰り返す頃合いか。となれば、目先145円ぐらいまでは為替介入リスクを気にすることなく狙える水準と言えよう。
今晩の海外時間は、引き続き円全面安の地合いのなか、ドルは東京時間でつけた年初来高値142円25銭を上回る地合いを想定したい。本日の上値メドは、年初来高値水準を上回る142円50銭、下値メドは東京時間の安値水準でもある141円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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