ECBの金利発表注視、ユーロ主導の展開か (6/15夕)

15日の東京市場はドルが一段高。一時141.40円台まで値を上げ、年初来高値を大きく更新している。

ECBの金利発表注視、ユーロ主導の展開か (6/15夕)

ECBの金利発表注視、ユーロ主導の展開か

〇本日のドル円、前日高値140.28を上抜けるとそのまま年初来高値141.40台まで続伸
〇東京夕方16時現在の141.30-35からみても、さらに1円近いドル高進行リスクがあるか
〇本日のECBは0.25%の追加利上げが優勢、ユーロを中心とした市場動意に一応要注意
〇本日は6月NY連銀製造業景況指数や5月小売売上高などが発表予定
〇ドル高・円安方向は本日東京高値の141.45レベルが最初の抵抗、抜ければ142円台乗せも
〇ドル安・円高方向は、これまで抵抗となっていた140.93がサポートとなるかに注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは140.60-142.10

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場はドルが一段高。一時141.40円台まで値を上げ、年初来高値を大きく更新している。

ドル/円は140.10円レベルで寄り付いたのち、しばらく揉み合い。ドルは底堅いものの上値も重く前日高値140.28円をなかなか超えられなかったが、上抜けるとそのまま年初来高値や141円などを次々と上抜け141.40円台まで1円以上も続伸している。途中、松野官房長官から「必要があれば適切に対応していく」とした口先介入と思しき発言も聞かれたが、ドル高・円安の流れに変化はなく効果も限られた。16時現在ではドル高値圏の141.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、日本時間の本日未明に米FOMCの結果が発表されたが、大方の予想通り「金利は据え置き」。FOMCは昨年3月以降、10回連続で金融引き締めを継続してきたものの、ようやく金利の引き締めが一服した格好になる。しかし、同時に声明で「当局者の大多数は今年2回の追加利上げを見込んでいる」としたうえ、そののちパウエル議長が会見で「今年の利下げは適切である可能性はまったくない」と発言したことなどが好感され、ドル買い・円売り基調が強まる結果となった。なお、そののちパウエル議長が21日の下院金融委で証言を実施する旨が明らかにされている。

対して後者は、外交ファクターとして「米中外相が電話会談実施を実施し、中国は内政干渉やめるよう求めた」と伝えられるなか、ロイターは「英国のクレバリー外相が7月に訪中する可能性があることがわかった」と報じている。また、前者と絡め米国務次官補からは「米中の緊張が高まるなかで対話は重要」などとした発言も聞かれていた。ただ、その一方でカナダが中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)からの脱退を示唆するなど、西側諸国との関係改善は一筋縄でいかず、まだまだ前途多難な状況だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週末から140.45円を上限としたレンジ取引を続けてきたが、本日東京でその上限をついに上抜けてきた。また、その後もドルは続伸し140.93円の年初来高値も大きく更新している。テクニカルには、以前から何度か報じているように141円台に強い抵抗は見当たらない。意識されるとすれば昨年11月21日高値の142.25円などか。東京夕方16時現在の141.30-35円からみても、さらに1円近いドル高進行リスクがありそうだ。
今週予定されている日米欧の金融政策発表の先陣を切って、昨日は「米政策金利の据え置き」が発表されている。それを受ける格好で、本日はECBから金利発表が実施される見通しだ。ちなみに、事前予想としては「0.25%の追加利上げ」を見込む向きが優勢。したがって、利上げ見送りなどといったことになればユーロ主導で為替市場は荒れ模様となる可能性もある。また、予想の範囲内の金融政策であっても、ユーロを中心とした市場動意には一応要注意かもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は形成したレンジを上放れたためか、ストップロスなどを巻き込みつつ予想以上のドル高が進行している。前述したように、本日東京時間には松野官房長官から「円安けん制発言」が発せられており、ここから先も同様の発言さらにレートチェックと思しき動きには注意が必要だろう。
とは言え、基本的なリスクはやはりドル高方向。基本的には142.25円やフィボナッチポイントにあたる142円半ばを目指す展開か。

本日は米経済指標として、6月のNY連銀製造業景況指数や5月の小売売上高などが発表される予定だ。13日の消費者物価指数、そして昨日の生産者物価指数とともに予想を下回っているだけにやや悪い内容が発表されるといった警戒感を抱く向きもある。また別途、ECBによる政策金利の発表にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.60-142.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値の141.45円レベルが最初の抵抗。抜ければ強い抵抗がなく142円台乗せも否定できない。
対するドル安・円高方向は、これまで抵抗となっていた140.93円がサポートとなるかに注目。下回ると、上昇スピードも速いだけに140円前後までも下押しも。

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ドル円日足

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