東京市場のドルは141円台半ばまでドル買い加速、金融政策の違い明確化で円全面安か(23/6/15)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、5月の年初来高値140円95銭を突破し、昨年11月23日以来となる141円台乗せとなった。

東京市場のドルは141円台半ばまでドル買い加速、金融政策の違い明確化で円全面安か(23/6/15)

東京市場のドルは141円台半ばまでドル買い加速、金融政策の違い明確化で円全面安か

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、欧米と日本の金融政策の差が改めて意識されたことから、円売り・ドル買いが加速。5月の年初来高値140円95銭を突破し、昨年11月23日以来となる141円台乗せとなった。

日本時間15日未明に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は、予想通りの政策金利据え置きだった一方、FOMC参加者による最新の経済・金利予測では、中央値が年末までに5.6%に上昇すると予想されていることが示されたため、「年内後2回の利上げ余地」が意識されて、ドルは140円台を挟んだ推移に。その後行われた記者会見で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、「インフレを鈍化させるために2023年中に「幾分か」の追加利上げが適切になると、ほぼ全ての政策当局者予想している」と説明したが、さほどドル買いが強まる地合いとはならなかった。

ただ、東京時間に入ると円が主要通貨に対して売り優勢の展開に。今晩発表予定の欧州中央銀行(ECB)がインフレ対応のため、0.25%の利上げを行う公算が大きく、欧米と日本の金融政策の違いに改めて関心が向かい、円は全面安となった。ドルは年初来高値更新でストップロスも巻き込んだことから141円台半ばまで買われた。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:140円03銭
高値:141円44銭
安値:139円94銭
終値:141円22銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:151円69銭
高値:152円78銭
安値:151円69銭
終値:152円78銭 

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円18銭
高値:96円38銭
安値:95円12銭
終値:96円35銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:177円31銭
高値:178円74銭
安値:177円31銭
終値:178円63銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33493円69銭
高値:33767円13銭
安値:33386円01銭
終値:33485円49銭 

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

21時15分、欧、ECB政策金利、前回:3.75%、市場予想:4.0%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:26.1万件、市場予想:25.1万件
21時30分、米、失業保険継続受給者数、前回:175.7万件、市場予想:178.8万件
21時30分、米、小売売上高(前月比)、前回:0.4%、市場予想:−0.1%
21時30分、米、小売売上高(自動車除くコア)(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.2%
21時30分、米、フィラデルフィア連銀景況指数、前回:−10.4、市場予想:−12.3
21時45分、欧、ラガルドECB総裁が記者会見
22時15分、米、鉱工業生産指数(前月比)、前回:0.5%、市場予想:0.2%
22時15分、米、設備稼働率、前回:79.7%、市場予想:79.7%

日銀金融政策決定会合(16日まで)
※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。5月30日に年初来高値140円95銭をつけた後、上値が重くなったが、本日この水準を一気に上回った。

日足の一目均衡表では、雲上限(134円95銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。遅行スパンが実線に近づきつつあったが、年初来高値更新に伴い、強いトレンドは継続と考える。2週間ほど、138円から140円の2円弱のレンジでもみ合っていたことでエネルギーの蓄積は十分。高値圏でのもみ合いを上放れたことから、ストップロスを巻き込んだ強い地合いとなっている。

今FOMCの結果を受けて、「年内2回の利上げ余地」を市場は意識しており、米2年債利回りは4.79%まで拡大している。3月上旬の米銀破綻に絡んだ信用収縮以前の水準が5.0%台だったことを考慮すると、利回り拡大余地はまだありそうだ。パウエルFRB議長は、3月の議会証言において「利上げペースを再加速するかどうかの判断は、雇用統計や求人件数、消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)などのデータ全体を基に行う」と説明していた。現在、直面している状況は「利上げペース再加速」ではなく「利上げ再開」と若干異なるが、今後も、こういった経済指標を確認するスタンスは変わらないと考える。7月上旬まで、こうした重要な経済指標の発表が無いなか、FOMC関係者による発言がドル売買の主な材料となろう。

日本では、野党が「内閣不信任案」を出す公算が徐々に大きくなっている。日本の政局が動くとの見方もあり、仮に「衆議院解散」という事態となれば、一か月ほどの政治空白が生まれることで、その間、日銀は現在の金融政策を変更しにくくなるだろう。こうした地合いを考慮すると「円全面安」に伴うドル高というシナリオが見えてくる。

今晩の海外時間では、欧米と日本の金融政策の違いを材料とした円全面安の地合いが続くと考える。「欧米と日本の金融政策は違う」という状況は分かりやすいため、全員参加型の相場となりトレンドが強まる可能性はある。本日の上値メドは、心理的な節目の142円00銭、下値メドは5月30日の高値だった140円95銭とする。

東京市場のドルは141円台半ばまでドル買い加速、金融政策の違い明確化で円全面安か

ドル円日足

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