短期的な方向性喪失か、基本はレンジ取引(6/7夕)

7日の東京市場はドルが小安い。一時139.10-15円まで下落するも、辛うじて139円台は維持している。

短期的な方向性喪失か、基本はレンジ取引(6/7夕)

短期的な方向性喪失か、基本はレンジ取引

〇東京市場のドル円、日経平均株価が600円近く下落したことが嫌気され夕方に掛け139.10-15まで下落
〇6月米政策金利、市場は利上げ休止が優勢だが豪中銀の予想外の利上げで、米国も強気派が勢いを増す
〇本日、5月中国貿易収支が発表、黒字幅予想を大きく下回る内容に今後の中国経済指標が注視される
〇本日この後は米4月貿易収支や消費者信用残高、カナダ中銀政策金利等が発表予定
〇ドル高円安方向は東京高値139.70レベルが最初の抵抗、抜ければ140円を目指す
〇ドル安円高方向は、本日東京安値も近い昨日安値139.10を巡る攻防に注目
〇欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-139.80

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はドルが小安い。一時139.10-15円まで下落するも、辛うじて139円台は維持している。

ドル/円は139.65円レベルで寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。139.50-70円といったレンジ内で底堅く推移した。しかし底割れすると、夕方に掛けて139.10-15円まで続落。日経平均株価が終値ベースで600円近く下落したことが嫌気されていた面もあったという。16時現在ではそのままドル安値圏で推移、欧米市場を迎えている。
なお、トルコリラ安は本日も止まらないどころか、さらに大幅加速。ドル/リラは昨日のNYクローズ21.50リラ近辺だったものが、実に22リラ後半まで一時急騰していた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国経済情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、ブルームバーグが「中国当局は景気浮揚のため預金金利の引き下げを大手銀行に要請した」と伝えたほか、中国証券報は、政策顧問やエコノミストの話として「中国は今年後半に銀行の預金準備率と金利をさらに引き下げる可能性が高い」と報じ、一部で話題に。国内景気の低迷懸念が取り沙汰されていたようだ。なお、そうしたなか本日東京時間に5月の中国貿易収支が発表されたが、黒字幅予想を大きく下回る内容となっていた。今後発表される中国経済指標が俄かに注目され始めている。

対して後者は、ロシアが一方的に「併合」を宣言したウクライナ南部ヘルソン州で発生したカホフカ水力発電所の大型ダム破壊がそこここで話題に。開催された国連安保理で、ロシアはウクライナの仕業と非難した反面、ウクライナはロシアの関与と糾弾していた。今後もどちらの手によるものなのか、議論は紛糾しそうだ。そうしたなか、同ダムの水がザポロジエ原発やクリミアにも給水されているため、原発冷却水に関する懸念報道なども別途観測されていた。ただし、IAEAは「緊急のリスクはない」と指摘したうえで、「決壊ダム貯水池付近の池から取水できる」と発表し、思惑を否定している。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日レポートしたように、ドル/円は5月30日の140.93円と、6月1日の138.44円で目先の高安を示現したのかもしれない。実際、昨日そして本日東京も前述した138.44-140.93円という2.5円レンジのなかでの一進一退をたどっている。市場の関心が高い来週の米FOMCまでまだ1週間という時間を残しているが、139円台を中心とした先のレンジ取引がいましばらく続く可能性もありそうだ。

金融市場の関心は米金融政策、来週予定されている米FOMCに移行している。市場では飽くまで一時的ながら「6月の利上げ休止」を指摘する声も少なくなかったが、昨日豪中銀が予想外の利上げに踏み切ったことで、米国についても強気派が勢いを増しつつある。予断を許さないものの、基本的にはドルの支援要因に。しかし、その一方で140円に接近あるいは超えていくようだと、日本サイドから観測されても不思議のない円安けん制の動きにも一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は徐々にレンジ取引の様相を強めつつある。実際、6日のNYタイム終盤以降はすべて139円台での一進一退に過ぎず、目先はやや方向性を欠いている。そうした意味で、まずはここ最近推移する139円台を、如何にそしてどちらに放れるのかに注目。ただ抜けたとしても、138.44-140.93円という2.5円レンジのなかにはとどまる公算が高いだろう。

本日は米経済指標として、4月の貿易収支や同消費者信用残高などが発表される予定となっている。また、それ以外にカナダ中銀による政策金利の発表、スナク英首相による訪米といった材料も。合わせて、それらにも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-139.80円。ドル高・円安方向は東京高値にもあたる139.70円レベルが最初の抵抗。抜ければ140円を目指すが、140円台へ定着することは目先予想しにくいか。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い昨日安値139.10円をめぐる攻防にまずは注目。下回れば139円割れから、直近安値138.44円が視界内に。

短期的な方向性喪失か、基本はレンジ取引

ドル円日足

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