ドル安続くか正念場、米雇用統計に要注意(23/6/2)

2日の東京市場はレンジ取引。NY時間に発表される米雇用統計待ちもあり、138円後半を中心とした一進一退だった。

ドル安続くか正念場、米雇用統計に要注意(23/6/2)

ドル安続くか正念場、米雇用統計に要注意

〇本日のドル円、138.60-139.05といった50ポイントにも満たない狭いボックス圏内での一進一退
〇ドル円の日足は週明けから4日連続の陰線、ドル高基調一巡の兆しだった可能性も
〇米金融政策についてFRB高官によるハト派コメント、ドルの売り材料に
〇本日、米雇用統計発表、弱い数字になるようだとさらなるドル売りを誘発する可能性
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは138.20-139.90、ドル高・円安方向は139.05レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、138.44レベルをめぐる攻防にまず注目

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はレンジ取引。NY時間に発表される米雇用統計待ちもあり、138円後半を中心とした一進一退だった。

ドル/円は138.80円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ。138.60-139.05円といった50ポイントにも満たない狭いボックス圏内での乱高下をたどっている。なお、途中で「米上院が債務上限法案を可決」などと伝えられたものの、市場の反応はいまひとつだった。16時現在では138.85-90円で推移し欧米市場を迎えている。
そうしたなか、豪ドルが小じっかり。豪中銀が来週にも利上げに踏み切るのではないか、との見方が広がったことで買いが先行した。対円では91.10円台から92円近くまで上昇している。

一方、材料的に注視されていたものは「米欧金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、米国は発表した指標が好悪混在。ADP雇用統計は好数字だったが、製造業PMIやISM製造業景況指数は逆に予想を下回った。そうしたなか、フィラデルフィア連銀総裁は「現時点で利上げ見送りを支持する」と発言していたようだ。それに対して、欧州はラガルドECB総裁から「我々は利上げを継続する必要がある」とのコメントが聞かれたものの、フランス中銀総裁からは「これまでの利上げが効果を現し始めており、今後の利上げはわずかなものになる」としたやや弱気な発言が聞かれている。なお、本日の東京時間に植田日銀総裁は出席した衆院財務金融委で「2%の物価目標達成はしばらく時間がかかる」と発言、金融引き締めに否定的な見解を占めていたという。

対して後者は、幾つか興味深い話が聞かれたが、とくにとなると次の2つ。ひとつは、米国が新START下で求められていたミサイルや発射装置の位置などに関するロシアへの通知を停止すると発表したこと。「ロシアを協議の場に引き戻すことが狙い」などとされているが効果は懐疑的と見る向きも少なくない。一方、それとは別に8月に南アフリカで実施されるBRICSサミットにおけるプーチン氏の処遇が論争を呼んでいるようだ。プーチン氏は現在、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ており、サミット出席なら拘束・逮捕が原則。しかし、特別措置が検討されているという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円の日足は週明けから4日連続の陰線。チャートを見ると、日足の4連続陰線は今年初めてで、ドルの強気派にとっては若干嫌なムードもある。このあと発表される米雇用統計次第ながら、ドル高基調が一巡したことの兆しだった可能性もある。ちなみに、そんなドルの下値メドは5月4日安値133.50円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しの138.10円。下回ると移動平均の21日線(137円半ば)を目指す。
ドル高の足かせになっていた米債務上限問題に関する法案は下院に続き上院でも可決された。バイデン大統領による署名というプロセスが残っているとはいえ、ドル高の重石がとれたといって間違いないだろう。一方、米金融政策については一昨日のジェファーソンFRB理事に続き昨日は、フィラデルフィア連銀総裁からハト派コメントが聞かれており、ドルの売り材料に。このあと発表される米雇用統計が弱い数字になるようだと、さらなるドル売りを誘発しかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドルが続伸するか否かの正念場を迎えている。年初来安値127.22円から前回高値137.91円までは約2ヵ月、10円強の上昇でピークアウトしたが、今回は3月24日安値129.65円を起点に、5月30日高値140.93円まで同様に約2ヵ月、11円の上昇だ。仮に、ピークアウトが確認されれば、もちろん時間を掛けつつだがドルは深押しをたどる可能性もある。

本日は米経済指標として、注目の米雇用統計の発表が予定されている。市場の関心がとくに高い非農業者部門雇用数はプラス19.5万人程度が見込まれているか果たして如何に。また米国を中心とした要請があり、北朝鮮情勢をめぐり国連安全保障理事会が開催される見通しとなっている。こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.20-139.90円。ドル高・円安方向は東京高値にもあたる139.05円レベルが最初の抵抗で、抜けると昨日高値139.95円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値138.44円レベルをめぐる攻防にまず注目。割り込むようだと前述したフィボナッチポイントの138.10円がターゲットに。

ドル安続くか正念場、米雇用統計に要注意

ドル円日足


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