米5月雇用統計の予想
本日、5月の米雇用統計関連の数値が発表されます。前回4月は全てが予想を上回り、米国の雇用堅調を裏付けました。ドル円相場は発表前134円20銭付近で推移していましたが、135円12銭まで買われ134円80銭で引けています。但し、この週はFOMCとECBの金融政策があり、双方共に0.25%の利上げを実施しました。利上げ前の火曜日に137円77銭の高値を付け、材料出尽くしのポジション調整から木曜日に133円50銭の週内底値を付けています。
最近1〜2週間は、地区連総裁やFRB理事の発言により、インフレ高止まりに利上げ継続の意見が多いことで、日米金利差拡大から141円手前まで買われました。上記にあるように相場はこの1ヶ月で133円50銭→140円93銭の大幅ドル高になったことから、ポジション調整のドル売りが入り、今週は2円程度円高方向に振れています。まだドルロングも多いと思われ、予想値から上下に振れても相場が動く可能性が高いと思います。
さて、今回5月の数値は失業率がやや上昇見通し、非農業部門雇用者数(NFP)が前月よりも低下、平均時給の年率が横這い予想になっています。個別ではまず失業率ですが、3月時FRBの2023年末予想が4.5%(昨年12月時4.6%から僅かの下方修正)ですので、現状はまだまだ低い数値になっています。レンジ上限でも3.6%までで、仮に12月まで毎月0.1%ずつ悪化しても年末は4.2%止まりになります。6月のFOMCでは先行き経済の見直しが出る予定ですので、改訂される可能性があります。
非農業部門雇用者数(NFP)は前月よりは減りますが、まだ堅調推移です。昨日発表された5月のADP社民間雇用者数が27.8万人になり、予想17万人を大きく越え、4月も29.1万人でしたので、今日のNFPも上振れの可能性はあります。下図(2)を見ると、概ねNFP>ADPでしたが、4月は逆転し、5月もADP>NFPになっています。従いレンジ上限の可能性もあると思われます。逆にレンジ下限になるとサプライズです。平均時給は、下図(1)を見ると、昨年3月の高値5.9%から下降トレンドを継続していますが、やや横這い傾向になりつつあります。過去の黒の上昇トレンドからは下回っています。4月のPCEコアは4.7%でしたので、まだ実質可処分所得が低い状態です。
今回予想
(6月2日9時00分現在:直近の数値を再確認お願いします)
(1)平均時給
(前年比)
(2)ご参考
昨年8月からADP社民間雇用者数の数値公表が再開されました。2021年以降のADP社とNFPを比較しています。再開当初はかなりの凸凹がありましたが、最近はだいぶ相関性が高くなっています。概ね、NFP(青)>ADP(オレンジ)ですが、先月は逆転し、今月も予想通りならADP社が多いことになります。
下図はユーロドルの日足チャートです。ユーロが立ち上げ始めた陽線引けの3月16日底値からのサポートAは5月9日に下抜けました。その後は5月5日高値、8日高値、11日高値を結んだ抵抗線B(=1.0715)を上限にしてユーロが下落しました。しかし昨日はこのBを上抜き、ユーロ回復の兆しを見せ始めています。となると5月31日の底値1.0635は何かの目安があったのかを見ると、Bから平行に下し、5月9日底値、11日と25日底値を結んだC(=1.0610)の下限に当たりました。最大限、平行に下したD(=1.0580)までは届かずに反発しています。今日以降はこのBの上抜けが本格化し、戻り高を確認するのかを見たいと思います。また昨日HICPで添付したユーロドルの週足チャートで、緩やかなユーロドルトレンドのサポートポイントだった1.0610にも相当しています(レンジは1.0610〜1.1130です)。下値リスクが高い中で目先の戻りを確認する中にいます。
尚、現在のスポットは5月18日底値、19日、及び23日底値のE(=1.0760〜63)で止められています。この上抜けを確認すると、次は5月17日の窓空けF(=1.0840)辺りが次の目途になりそうです。一方で、下値は再度Bを割り込み、実体底値のG(=1.0689)を下回って終わると、CとDの再トライに入ります。
(2023年6月2日11:00、1ユーロ=1.0761)
オーダー/ポジション状況
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