上値重そうだが、ドル買戻しの流れか
〇本日のドル円、一時的に139円を割り込むも急反発をたどると、終盤には139円後半へ
〇JST朝10時過ぎに米債務上限停止法案が同下院で可決、上院へ送られたことが好感されてドル高を後押し
〇5/30の高値140.93からは2円近い下げを記録、ドルの上値トライが一旦仕切り直しに
〇6/1は5月ADP雇用統計、同製造業PMI確報、同ISM製造業景況指数等の重要指標に要注意
〇今夜の米指標発表や要人発言、明日の米雇用統計発表によって相場は一喜一憂する展開か
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは139.30-140.50、ドル高・円安方向は140円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、弱いサポートになりつつある139.40レベルをめぐる攻防にまず注目
<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場はドルが反発。一時139円を割り込むも、短期的な底入れ後は一転して上値を試す展開となった。
ドル/円は139.30-35円で寄り付いたのち、当初はドル売り先行。一時的に139円を割り込む局面も。しかし、そこから大きく崩すことはなく、むしろ短期底入れ後はVの字型の急反発をたどると、終盤には139円後半へ。1円近い戻りを達成したのち、16時現在では139.70円前後で推移し欧米市場を迎えている。
なお、ここのところ連日で安値を更新しているトルコリラは本日も冴えず。ドル/リラは一時20.80リラレベルと、またもや安値更新となった。
一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「米債務上限問題」について。
前者は、昨日早朝に北朝鮮は「人工衛星」を発射したが結局失敗に。しかし、日本をはじめとする各国から強い反発の声が聞かれ、実際に100ヵ国あまりが出席した国際海事機関の安全保障委員会では、「船員と国際海運の安全を著しく脅かすもの」などとした非難決議が採決されていた。また、米NSC調整官は「なぜ失敗したかは大きな関心事でない」としたうえで、衛星発射による「技術改良」を懸念するコメントを発していたようだ。そうしたなか、当の北朝鮮は金朝鮮労働党総書記の妹で党副部長の金与正氏から、「軍事偵察の取り組み強化」を表明する発言が聞かれ、今後の動静も懸念されている。
対して後者は、事前には様々な思惑が台頭。一部メディアで厳しい論調の報道も観測されるなか、東京時間10時過ぎに米債務上限停止法案は同下院で無事に可決し、上院へと送付されている。そんな情勢が好感され、前述した東京時間のドル高・円安進行を後押ししていた。これでさすがにヤマ場を越えた感があるものの、最後の最後まで油断をせずに情勢を注視しておきたい。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は本日東京時間に一時139円割れ。5月30日に示現した高値140.93円からすると、早くも2円近い下げを記録している計算だ。基調が再びドル安方向へと転換したとまでは言えないが、ドルの上値トライが一旦仕切り直しになったことは間違いないなさそう。そうした意味では上値は重そうだが、下値も果たしてどうか。明日に注目の米雇用統計の発表を控えていることもあり、短期的には139-140円台でやや方向性乏しく、乱高下をたどる可能性も否定できない。
先でも取り上げたように、ドル高の足かせになっていた米債務上限問題に関する法案が下院で可決された。不安要因がひとつ取り除かれた格好だ。一方、米金融政策については昨日発表された米経済指標がやや冴えなかったうえ、ジェファーソンFRB理事からハト派的なコメントが発せられており、若干雲行きが怪しくなっている。いずれにしても、本日も引き続き発表される米指標や要人発言をめぐり、相場は一喜一憂する展開か。
テクニカルに見た場合、今週以降のドル/円はザラ場ベースで年初来高値を更新する局面も見られたが、日足はというと昨日まで3日連続の陰線。ドルの上値の重さを露呈していた。米債務上限法案の可決でドルがどこまで持ち直すのかを見極めたい。足もとは目先高値から2円下がって1円上がるという、なかなかの乱高下だが果たして先行きは如何に。明日発表の米雇用統計をにらみつつ、139-140円台でのレンジ相場となる可能性もある。
本日は米経済指標として、5月のADP雇用統計や同製造業PMI確報、同ISM製造業景況指数などの重要指標が相次ぎ発表される。昨日は何故かこれまでと一変、米通貨当局者からハト派的な発言が聞かれただけに、いつも以上に発表される米指標内容には要注意との指摘も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.30-140.50円。ドル高・円安方向は140円レベルが最初の抵抗で、抜けると昨日高値140.42円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートになりつつある139.40円レベルをめぐる攻防にまず注目。割り込むようだと東京安値138.95円レベルが視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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