米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(5月31日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容となっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2023年5月22日以前までとなっています。
前回報告よりは、経済活動が堅調を維持しており、雇用は相変わらず増加を続けています。但し、一部では雇用停止の報告もあると指摘しています。物価はまだ上昇しているが、上昇率は下がったようです。
全般的な経済活動
経済活動は全般的に4月と5月上旬でほとんど変わらなかった。4地区では活動が少し上昇、6地区で変化なし、2地区では緩やかに下がったと報告している。聞き取りでは依然として活動の更なる拡大が幅広く予想されているが、将来の伸びに対する期待は少し悪化した。消費支出は多くの地区で、堅調かそれ以上であった。多くの人がレジャーや接客関連での支出が伸びると指摘している。教育や医療機関は全般的に堅調な活動をみている。製造業活動は多くの地区で、横這いか上向きだった。供給チェーン問題は改善を続けている。輸送やサービス業への需要は下がった。とりわけトラック輸送である。聞き取りでは「貨物輸送不況」があったと報告している。
居住用不動産活動は、販売用住宅の低い在庫水準が続いているが、多くの地区で回復した。商業用建設と不動産活動は全般的に減少し、オフィス関連部門が引き続き弱点であった。農業収入の見通しはほとんどの地区で低下した。エネルギー活動は、天然ガス価格が低下する中、横這い乃至下がった。金融情勢は多くの地区で安定しているか幾分引き締められている。幾つかの地区での聞き取りで、消費者ローンの滞納が上昇しているとの指摘があった。これはパンデミック前の水準に近づいている。高インフレとCovid-19給付の終了が、家計の低〜中所得層への予算に圧力が掛かり続けている。食料や住宅を含め、社会的サービスへの需要増を引き起こしている。
労働市場
雇用は、過去の報告よりペースが下がったものの、ほとんどの地区で増加した。全般的に、労働市場は強い状況が続いている。聞き取りでは幅広い範囲での熟練水準や業界で、労働者を探すことが難しいと報告している。また地区全体での聞き取りで、労働市場が幾分冷え込んでいるとの指摘もあった。建設、輸送あるいは金融での雇用が容易になったことを浮き彫りにした。多くの聞き取りでは、十分に人員が配置されていると報告され、幾つかは、実際の需要や将来の需要が弱まっているか、経済見通しに関する不確実性の高まりに、雇用停止や頭数を減らしていると報告している。人材派遣会社は需要の伸びが鈍化していると報告している。前回同様に賃金は緩やかに上昇した。
物価
報告期間中、物価は緩やかに上昇したが、多くの地区で上昇率は鈍化した。多くの地区での聞き取りでは、今後数ヶ月も同様のペースで物価が上昇すると予想している。堅調な需要とコスト上昇で、消費者物価は上昇を続けたが、幾つかの地区では、消費者の物価感応度が前回の報告書よりは高いと指摘した。全般的に、出荷や特定の原材料のような、非労働投入コストは上昇した。全般的に住宅価格や賃貸は多くの地区で緩やかに上昇した。前期では伸びがなかった。
(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
ドル円相場はベージュブック公表後も大きな動きがありませんでした。内容的にはまだ利上げ圧力が残っている印象です。
(2023年6月1日15:00、1ドル=139円68銭、1ユーロ=1.0678ドル)
オーダー/ポジション状況
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