東京市場のドルは139円台後半まで盛り返す、ADP発表で米金利先高観が再燃するか?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米金利先高感が低下したこともあり、朝方139円台を割り込む場面が見られたものの、米債務上限問題の進展を受けて、139円台後半まで持ち直した。
前日の海外時間では、米国連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン理事や、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が相次いで、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送りを支持。この発言を受けて、米2年債利回りが4.4%台を割り込むなど米金利先高感が低下し、ドルは軟調推移となった。
東京時間もこの流れを受け継ぎ、朝方、138円台を付ける場面も見られたが、米債務上限停止法案が下院を通過したことで過度な警戒感が後退し、ドルは下げ渋る格好に。午後にかけては、バブル後最高値(5月29日、31560円43銭)から調整していた日経平均が反発したこともあり、ドルは139円台後半まで戻した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:139円20銭
高値:139円72銭
安値:138円96銭
終値:139円72銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:148円84銭
高値:149円19銭
安値:148円62銭
終値:149円18銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:90円59銭
高値:90円98銭
安値:90円30銭
終値:90円97銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:173円21銭
高値:173円62銭
安値:172円97銭
終値:173円60銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:30886円01銭
高値:31185円05銭
安値:30853円44銭
終値:31100円29銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(前月比)、前回:7.0%、市場予想:6.4%
18時00分、欧、ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(コア)(前月比)、前回:5.6%、市場予想:5.5%
18時00分、欧、ユーロ圏失業率、前回:6.5%、市場予想:6.5%
18時30分、欧、ラガルドECB総裁が講演
21時15分、米、ADP雇用者数(前月比)、前回:29.6万人、市場予想:16.3万人
21時30分、米、非農業部門労働生産指数(前期比)、前回:−2.7%、市場予想:−2.7%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:22.9万件、市場予想:23.4万件
22時45分、米、製造業PMI(購買担当者景気指数)、前回:48.5、市場予想:48.5
23時00分、米、ISM製造業景気指数、前回:47.1、市場予想:47.1
26時00分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。拡大する+2σに沿った上昇が見られたが、5月30日に年初来高値140円95銭をつけた後は、上げ基調が一服。足元、9日MA(139円62銭)での攻防を迎えている。
日足の一目均衡表では、雲上限(133円78銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現。3月24日の安値(129円65銭)を起点とした下値支持線をサポートに上値切り上げの地合いが続いているが、買い一服で短期的には調整局面入りといえよう。
日本の通貨当局による円安けん制発言に、米高官による6月の利上げ見送り発言を受けて、ドル買いのモメンタムはいったん低下している。今週末の米雇用統計発表に向けた強気相場を想像していたが、日米要人発言によって調整入りとなった。
米債務上限合意を盛り込んだ財政責任法案は無事に下院を通過したことから、上院に送られる。上院での可決はほぼ確実視されていることから、米国はほぼデフォルトを回避した状況にある。つまり、米債務上限問題を材料視したドル買いは終了と考えておくべきだろう。今後は、本日のADP雇用者数、ISM製造業景気指数、そして、明日の米雇用統計と重要経済指標に注目となる。昨日の米高官による6月の利上げ見送り支持を打ち消すような強い結果となれば、米金利先高感期待は再燃するだろう。
今晩の海外時間は、経済指標に振らされる地合いとなろう。本日の上値メドは、前日高値水準の140円40銭、下値メドは139円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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