ドル円、次回6月FOMCでの利上げ観測後退を背景に続落。本日は米雇用統計がメインイベント(6/2朝)

月初1日(木)のドル円相場は大幅続落。

ドル円、次回6月FOMCでの利上げ観測後退を背景に続落。本日は米雇用統計がメインイベント(6/2朝)

次回6月FOMCでの利上げ観測後退を背景に続落。本日は米雇用統計がメインイベント

〇ドル円、ISM製造業指数、PMI等の不冴えで米国時間に一時138.44まで急落
〇ユーロドル、独、欧州のPMIの好調、ECB関係者のタカ派発言等に1.06台から高値1.0764まで反発
〇ドル円、テクニカルにはダウンサイドに複数のサポート並び地合いは崩れていない
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大観測、米債務上限問題の払拭がドル円をサポート
〇引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:138.00ー140.00

海外時間のレビュー

月初1日(木)のドル円相場は大幅続落。(1)日経平均株価の底堅い動き(リスク選好の円売り圧力)や、(2)米下院での債務上限停止法案可決、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値139.95まで上昇しました。

しかし、心理的節目140.00をバックに伸び悩むと、(4)米5月ISM製造業景況指数(結果46.9、予想47.0)の市場予想を下回る結果や、(5)米5月製造業PMI(結果48.4、予想48.5)の市場予想を下回る結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力(フィラデルフィア連銀ハーカー総裁やジェファーソンFRB理事による前日のハト派発言が尾を引く形で次回6月FOMCでの追加利上げ観測が後退)、(7)節目139.00を割り込んだことに伴う短期筋のストップSELLが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値138.44まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(8)欧米株の堅調推移や、(9)翌日の米5月雇用統計を控えたポジション調整が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6/2午前3時00分現在)では、138.80前後で推移しております。

月初1日(木)のユーロドル相場は安値圏から急反発。(1)米下院における債務上限停止法案の可決決定や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0661まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)デギンドスECB副総裁による「25bpの利上げがニューノーマル」とのタカ派的な発言や、(4)ラガルドECB総裁による「インフレ率が2%目標に戻る軌道に乗っていると十分に確信できるまで利上げを続ける必要がある」とのタカ派的な発言、(5)ドイツ5月製造業PMI確報値(結果43.2、予想42.9)の市場予想を上回る結果、(6)ユーロ圏5月製造業PMI確報値(結果44.8、予想44.6)の市場予想を上回る結果、(7)欧州株の堅調推移、(8)原油先物価格の急上昇が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0764まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/2午前3時00分現在)では、1.0760前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏5月消費者物価指数速報値(結果+6.1%、予想+6.3%)、ユーロ圏5月消費者物価コア指数速報値(結果+5.3%、予想+5.5%)は共に市場予想を下回る結果となりましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は5/30に記録した約半年ぶり高値140.95(昨年11/23以来の高値圏)をトップに反落に転じると、昨日は一時138.44まで急落しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイント(一目均衡表基準線、21日移動平均線、200日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド)が並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落はあくまで上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(フィラデルフィア連銀ハーカー総裁やジェファーソンFRB理事によるハト派発言を契機に6月FOMCでの利上げ観測が後退しつつありますが、次の一手が利上げであることに変わりはないため、仮に6月FOMCで据え置きが決定されるとしても、市場からは「タカ派的な据え置き」と解釈される可能性大。事実、ジェファーソンFRB理事は「次回会合で政策金利の据え置きを決定しても、今サイクルのピーク金利に達したと解釈すべきではない」と指摘)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待、(4)米債務上限問題の払拭(米下院での債務上限停止法案が可決→悪材料消化に伴う安堵感)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

本日予定されている米5月雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均賃金)が労働市場の堅調さを改めて証明する結果となれば、ここ2日間の流れ(6月FOMCでの利上げ観測後退→米金利低下→米ドル売りの流れ)が一変し、「6月FOMCでの利上げ織り込み再開→米金利上昇→米ドル買い」の流れが再開する可能性も出てくることから、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:138.00ー140.00

注:ポイント要約は編集部

次回6月FOMCでの利上げ観測後退を背景に続落。本日は米雇用統計がメインイベント

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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