ドル高基調のなか、日本当局の動きなど注意(5/30夕)

30日の東京市場はなかなか荒っぽい値動き。一時140円を割り込むなどドル安が進行したのちドルは急反発に転じるも、そののち再び下値を試すなど終盤にかけて乱高下。

ドル高基調のなか、日本当局の動きなど注意(5/30夕)

ドル高基調のなか、日本当局の動きなど注意

〇本日のドル円、140円を割り込むもその後140.90台まで急反発、しかし再び140.30台まで下げる乱高下
〇鈴木財務相から口先介入と思しき発言があった他、財務省・金融庁・日銀が情報交換会合開催との報道も
〇ドル円は141円台に強い引っ掛かりはうかがえず、昨年11/21高値142.25が次のポイントか
〇ドル高傾向はいましばらく続く見込みだが、日本サイドの円安けん制ともいえる動きに要注意
〇欧米時間のドル/円予想レンジは139.50-141.00、ドル高・円安方向は140.90-95の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、139.95-00が最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はなかなか荒っぽい値動き。一時140円を割り込むなどドル安が進行したのちドルは急反発に転じるも、そののち再び下値を試すなど終盤にかけて乱高下。

ドル/円は140.40円レベルで寄り付いたのち、当初は調整売りなどに押され下値を試す展開。140円を割り込む局面も見られたが底堅く、定着はせず。むしろ、底値を確認したのちは急速に買い進められ、ドルは急反発の動き。140.90円台まで1円近い上昇をたどったものの、最終盤に再びドル売りが観測されると一時140.30円台。なかなか激しい変動をたどるなか、16時現在では140.40円台で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、現職のエルドアン氏が再選したという週末トルコ大統領選の結果を受けて、トルコリラは本日も売りが先行。ドル/リラは連日のリラ安値を更新している。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ここ最近の為替市場は円全面安の様相で、ドル/円は前述したように140円台での推移となっている。そんな140円台は、昨年9月に政府・財務省が円買い市場介入を実施したレベルで、一部からは警戒感が急速に高まっているようだ。実際、本日東京では鈴木財務相から「為替の動きを引き続きウォッチしていく」とした口先介入と思しき発言が聞かれたうえ、夕方の激しい乱高下は「財務省・金融庁・日銀が情報交換会合を開催する」といったニュースを受けたためである。続報などには、このあとも注意を払いたい。

対して後者は、昨日北朝鮮から「人工衛星」と称する弾道ミサイルの発射表明があり、それについて浜田防衛相が「ミサイル破壊措置命令」を発出するなど、情勢は一気に物々しさを増してきた。一方、北朝鮮は続報として「軍事偵察衛星1号機を6月に発射する」と表明していたようだ。今週の為替や金融市場では発表される米雇用統計などとともに、31日に予定されている米債務上限問題にともなう議会採決が注視されているものの、北朝鮮による事実上の「ミサイル発射」情勢も週末にかけての波乱要因として急浮上してきたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日東京で一時141円に迫ったのち小反落へと転じるも、本日東京時間に再上昇。昨日高値140.92円に面合わせしてきた。テクニカルに見た場合、昨日も報じたように、141円台に強い引っ掛かりはうかがえず、昨年11月21日に記録した高値142.25円が次のポイントか。このあと再び上値をトライし、141円をクリアに超えてしまうとなれば、そのままなし崩し的にドルが大幅高をたどる可能性もある。
31日の議会採決をにらみ予断を許さない面も残っているが、取り敢えず米債務上限問題は一応解決。また米金融政策も、今週発表される経済指標の内容などによって一喜一憂が予想されるとはいえ、利上げ継続との見方が簡単に変わることを予想しにくい。足かせ要因が後退していることで、基本的なドル高傾向はいましばらく続く見込みだ。ただ、そうしたなか気になるのは、先でも取り上げた日本サイドにうかがえる「円安けん制」ともいえる動き。取り敢えずは17時半からとされる「財務省・金融庁・日銀が情報交換会合」はしっかりと注視しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクはドル高で141円台に乗せれば、さらなるドル高の進行が見込まれている。しかし、シカゴIMMなどのデータにも一部は記されているように、円ショートポジションがだいぶ積み上がっていることは間違いない。ポジションの偏りが大きく炙りだされれば、逆に大幅なドル安進行も否定はできないだろう。本日東京安値139.95-00円をしっかり下回れば、138円台も。

本日は米経済指標として、5月の消費者信頼感指数や同ダラス連銀製造業活動指数などが発表される予定となっている。今週最大の注目材料は週末の米雇用統計になるが、消費者信頼感指数なども内容如何では相場のかく乱要因となりかねず、十分に注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.50-141.00円。ドル高・円安方向は昨日そして本日東京高値にもあたる140.90-95円の攻防にまずは注目。141円を超えればさらなるドル高進行もありうる。
対するドル安・円高方向は、東京安値139.95-00円が最初のサポート。割り込むようだと先週末安値139円半ばを目指す展開か。

ドル高基調のなか、日本当局の動きなど注意

ドル円日足


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