ドル上値トライ失敗、ただ下値も堅そう
〇ドル円、一時134円割り込むも定着出来ず134円台前半を中心とした40ポイントほどのボックス相場
〇米CPI発表後、ブルームバーグ「米金融当局に利上げ停止の余地を与える可能性がある」と報じる
〇欧州要人からも「ECB利上げサイクルはピークに到達」など弱気発言が複数聞かれる
〇ドル高円安方向は、米消費者物価指数発表後一度も回復していない135円レベルが最初の抵抗
〇ドル安円高方向は134円前半からのビッドは厚く、本日安値133.90レベルを下回っても大崩れはないか
〇欧米時間のドル/円予想レンジは133.70-135.20
<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場はレンジ取引。134円台前半を中心とした、40ポイントほどのボックス内で一進一退をたどっていた。
ドル/円は、寄り付いた134.35円レベルが日中高値となり上値は重いものの下値も堅い。一時134円を割り込むも定着出来なかった。結局、134円台前半を中心とした、40ポイントほどのボックス相場をたどっている。16時現在では134.20円前後で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、発表された中国の経済指標が冴えず、豪ドル売りが進行するも影響は一時的。対円では前日安値を下回れず、90.60円台で下げ止まっている。
一方、材料的に注視されていたものは「米債務上限問題」と「欧米の金融政策」について。
前者は、前日にバイデン氏が最悪の場合として「G7サミットを含む外交日程をキャンセルすることもありうる」と述べた米債務上限問題が引き続き話題に。12日に実施される予定の「バイデン氏と議会指導部の再協議」を前に、双方からけん制発言が聞かれていたようだ。
ちなみに、バイデン氏は「上限引き上げに失敗すれば米経済がリセッションに陥る可能性がある」などとし、「共和党の脅しは危険」との見方をしていた反面、米共和党院内総務は「議会抜きでの政権の一方的な対応は選択肢になり得ない」と述べ、公的債務に関する合衆国憲法修正第14条の発動にクギを刺していた。なお、そうしたなかバイデン氏からは「広島サミットにオンラインで参加する可能性もある」などとした言及がなされていたという。
対して後者は、注目されていた米消費者物価指数が発表されたものの、その内容は市場の期待を裏切る内容。発表後だけでドル/円は1円以上も下落している。それもあり、ブルームバーグでは「米金融当局に利上げ停止の余地を与える可能性がある」などと報じていた。一方、欧州も弱気発言が複数聞かれたことが思惑を呼ぶ。たとえばポルトガル中銀総裁は「ECBの利上げサイクルはピークに到達」、フランス中銀総裁も「ECBの利上げ余地はわずか」と述べていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日欧州時間ぐらいまでドルの戻り歩調をたどるも、NY時間に発表された米消費者物価指数が冷や水を浴びせると流れが一変した。そして本日東京時間には134円割れまで一時続落している。それほどドルの下値リスクが高まったとは思わないのだが、再びドルの頭の重さを再確認し、上値が追いにくいことは間違いない。135円台へと乗せることがあっても、136円台は「近くて遠い存在」という気がしている。
依然として市場筋の関心の高い日米欧の政策金利だが、前述したように米欧とも追加利上げに否定的な見方が勢いを増しつつあるようだ。また米国については利上げ停止だけでなく、「年内利下げ実施」などといった指摘も有力視されつつある。引き続き発表される米経済指標や要人発言には要注意。また、米債務上限協議の行方もリスク要因のひとつとして頭の片隅にとどめておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は135円半ばまで一時上昇するも、終わってみれば1円以上下落した134.30円台。つまりドルの上値トライは失敗したと言って間違いない。
一方、ドルの下値は目先サポートの移動平均の21日線(134.60円前後)を下回ってきたことが気掛かり。強気派にとっては多少嫌なムードではあるものの、まだしっかりと割り込んだわけではなく、巻き返せる範囲内だ。ただ、出来れば早いタイミングで再び上回りたいがどうなるか。
本日は米経済指標として、前日の消費者物価指数に続き生産者物価指数(4月分)や、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定だ。もちろん数字次第だが、指標を受けた連日の荒れ相場にも一応注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.70-135.20円。ドル高・円安方向は米消費者物価指数発表後一度も回復していない135円レベルが最初の抵抗。超えれば昨日高値135円半ばが視界内に。
対するドル安・円高方向は、134円前半からのビッドは厚く、133円台はかなり底堅そうな雰囲気。本日安値133.90円レベルを下回っても大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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