東京市場のドルは一時133円台突入、要人発言でドル売り加速か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米消費者物価指数(CPI)下振れの余韻で133円台をつける場面も見られた。昨夜の米CPIは、前年同月比で4.9%上昇と市場予想(5.0%)を下回り2年ぶりに5%の大台を割り込んだ。コア指数は市場予想と同じだったものの、好調だった米雇用統計の影響で市場の期待値が高かったこともあり、市場はネガティブに反応、米2年債利回りは3.9%台前半まで低下。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ停止を裏付ける結果となったことから、ドルは売り優勢となった。
東京市場もこの流れが継続し、朝方、ドルは一時133円台に突入。売り一巡後は134円台前半での推移となったが、年内0.75%利下げの公算が大きくなっていることや、米債務上限問題などが意識され、ドルの上値は重くなった。
なお、株式市場では、決算発表がピークを迎えていることもあり個別物色中心の地合いに。日経平均は前日終値水準での小動きとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:134円15銭
高値:134円30銭
安値:133円90銭
終値:134円29銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:147円39銭
高値:147円51銭
安値:147円11銭
終値:147円43銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:90円95銭
高値:91円16銭
安値:90円78銭
終値:90円99銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:169円41銭
高値:169円52銭
安値:169円13銭
終値:169円51銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:29110円79銭
高値:29165円59銭
安値:29028円71銭
終値:29126円72銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
20時00分、英、英中銀政策金利、前回:4.25%、市場予想:4.5%
20時30分、英、ベイリー英中銀総裁の記者会見
21時30分、米、生産者物価指数(PPI)(前月比)、前回:−0.5%、市場予想:0.4%
21時30分、米、生産者物価指数(PPI)(食品・エネルギー除くコア)(前月比)、前回:−0.1%、市場予想:0.1%
21時30分、米、生産者物価指数(PPI)(前年比)、前回:2.7%、市場予想:2.6%
21時30分、米、生産者物価指数(PPI)(食品・エネルギー除くコア)(前年比)、前回:3.4%、市場予想:3.3%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:24.2万件、24.5万件
21時45分、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の記者会見
23時15分、ウォラーFRB理事が気候変動と金融安定について講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。4月末の日銀金融政策決定会合後の数日、+2σを上回る強い動きは見られたが、3月8日の戻り高値137円92銭手前で失速した
日足の一目均衡表では、雲上限(133円)を明確に上放れており、「三役好転」が示現していている。20日MA(134円70銭)と9日MA(135円21銭)の狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、これらの水準を下振れ。3月24日安値を起点とした下値支持線も割り込んでいることから、100日MA(132円88銭)が意識される可能性がある。テクニカル的には、下振れの攻防を迎えていると言えよう。
今晩の海外市場では、経済指標の発表よりも、昨夜の米CPI下振れを受けての米政府関係者の発言に注目したい。比較的タカ派なカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、4月に「インフレの高止まりを容認すれば、労働市場はさらに厳しい状況になる」との認識を示していることから、昨夜の米CPIをインフレ鈍化と素直につなげるかどうか注目したい。「インフレ鈍化=利下げ」という構図となりドル売り要因となる。6月の米FOMCまで、雇用統計とCPI発表を一回ずつ控えていることから慎重なコメントとなる可能性はあるが、投資家のモメンタムはドル売りに傾きつつあることから、下の動きに警戒しておきたい。
本日の上値メドは、20日MAの134円70銭、下値メドは心理的な節目でもある133円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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