米消費者物価に注目、上ぶれ期待強いが・・・(5/10夕)

10日の東京市場は小動き。135円台前半、40ポイントほどのレンジ取引をたどっている。

米消費者物価に注目、上ぶれ期待強いが・・・(5/10夕)

米消費者物価に注目、上ぶれ期待強いが・・・

〇本日のドル円、135円半ばまでジリジリと値を上げ足もとは復調傾向
〇バイデン大統領と議会指導部の債務上限巡る協議は進展なく、合衆国憲法修正第14条の発動検討を示唆
〇米3月消費者物価指数に注目、発表前後の金融市場は荒れ模様になるか
〇ドル高円安方向は本日東京高値135円半ばが最初の抵抗、超えれば135.65や136.15などを意識
〇ドル安円高方向は、135円レベルをめぐる攻防に注目
〇下回ると21日線も近く位置する短期サポートの134.60-70がターゲット
〇欧米時間のドル/円予想レンジは134.50-136.00

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は小動き。135円台前半、40ポイントほどのレンジ取引をたどっている。

ドル/円は135.20円レベルで寄り付いたものの、上下とも動きにくい。日本時間の早朝に実施された、バイデン米大統領と議会指導部による債務上限をめぐる協議は予想通り進展なし。市場の関心はスグにNY時間の米消費者物価指数発表へと移行、積極的な売買も手控えられていた。135.05-50円といったあいだでの一進一退をたどるなか、16時現在では135.35-40円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米債務上限問題」と「ロシア情勢」について。
前者は、前述したように早朝に実施された「バイデン米大統領と議会指導部による債務上限をめぐる協議」は進展なし。

そうしたなか、バイデン氏は議会指導部と12日に再び協議を行うことを明らかにしたほか、公的債務に関する合衆国憲法修正第14条の発動を検討していることも示唆していた。さらに、「可能性は低い」などとしつつも、協議の行方次第では今月開かれるG7サミットを含む外交日程をキャンセルすることもありうると発言したことが物議を醸す。予想以上の大事になってきた。
対して後者は、昨9日に戦勝記念日パレードが実施されたが、登場した戦車が旧式の1台切りとなるなど規模が大幅に縮小。そのためウクライナ側からは「モスクワのパレードよりも、ウクライナの軍事戦利品の展示会場のほうが戦車は多い」などと揶揄されていた。ただ、プーチン氏は実施した演説で、強気かつ意気軒昂。「敵はロシア解体を画策している」と強く非難したうえで、ウクライナ侵攻を継続する意向を表明していた。なお、そうしたなか国連事務総長からは「ウクライナの和平交渉は現時点では不可能」との発言が聞かれていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は4日の133.50円を目先安値にじり高推移。本日東京では135円半ばまでジリジリと値を上げている。先週、目先高値と目される137.78円を示現したものの、そののち急失速。上値トライは取り敢えず失敗した感があったが、足もとのドルは復調傾向だ。簡単ではない気がするものの、137円レベルを超えていけば前述した137.78円や年初来高値137.91円などが再び視界内に捉えられかねない。
日米欧の政策金利発表は先週までに終了するなか、市場で注目されている要因のひとつが本日予定されている米消費者物価指数の発表。ちなみに、事前予想は前年同月比プラス5.0%、コア指数が同5.5%とされていた。市場では上ぶれ期待も一部で指摘されていたがどうなるか。
また平行線に終わった米債務上限協議の行方や、ロシアによるウクライナ侵攻などを警戒する声も市場では多い。

テクニカルに見た場合、ドル/円は牛歩といった様相で歩みは遅いが、それでも時間足など短期ベースで抵抗となっていた135.30円レベルを本日東京時間に超えてきた。まだ「しっかり」と超えたとは言えないものの、ドルに続伸期待を抱く声も聞かれている。移動平均の200日線も位置する137円レベルを超えればさらなるドル高が予想される反面、上抜け失敗に終わればドルは再び下値を試す展開となり、21日線も近い134.60-70円の短期サポートを試す展開となりそうだ。

本日は米経済指標として、注目の3月消費者物価指数が発表される予定となっている。もちろん数字次第だが、発表前後の金融市場は荒れ模様か。また米財務省による10年債の入札や欧米企業の決算発表なども一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.50-136.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値の135円半ばが最初の抵抗で、超えれば135.65円や136.15円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、まずは135円レベルをめぐる攻防に注目。下回ると時間足など短期ベースでは強いサポートになっており、21日線も近くに位置する134.60-70円がターゲットに。

米消費者物価に注目、上ぶれ期待強いが・・・

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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