ドルはさらに続伸、年初来高値も視界内に
〇本日のドル円、一時137.75-80まで上昇し、前日記録したドルの戻り高値を更新する局面も
〇本日東京時間には137円を割り込むことなく推移、年初来高値137.91を意識した動きが続く可能性
〇注目材料目白押しの一週間のなか、明日の米FOMCがまずは注視される、本格的な動意はFOMC後か
〇欧米時間のドル/円予想レンジ136.90-138.10、ドル高・円安方向は137.75-80、137.91の攻防に注目
〇ドル安円高方向は、137円レベルが最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
2日の東京市場はドルがさらに続伸。前日高値を更新し、年初来高値137.91円も視界内に捉えられてきた。
ドル/円は137円半ばで寄り付いたものの、全般的には小動き。先日に続き中国市場が休場となったうえ、3日のNY時間に予定されている米FOMCの政策金利発表もあり、売買はおおむね手控えムードだった。しかし、そうしたなかドルは137.75-80円まで一時上昇し、前日記録したドルの戻り高値を更新する局面も。16時現在では137.60-65円で推移し欧米市場を迎えている。
なお、一部で見送り予想も取り沙汰されるなか豪中銀が利上げに踏み切ったことで、一時豪ドルが急騰。対円では91円前半から92円台まで1円を超える上昇をたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米国情勢」について。
大きく3つの要因が取り沙汰されていたようだ。ひとつは、週末に話が急展開した米中堅銀ファースト・リパブリック問題。「公的管理下に置かれる可能性」から「売却先決定」まで話が進展、さらに「米銀最大手JPモルガン・チェースが預金と資産を買収する」ことも明らかにされている。なお、この件についてバイデン氏が「すべての預金者を保護し米納税者への影響を阻止した」として称賛したほか、金融市場もおおむね歓迎ムードだった。
次いで、発表された米経済指標は強弱まちまちながら、なかでもとくに注視されていたISM製造業景況指数や同支払指数が予想を上回ったことも話題に。10年債を中心に2年から30年までそれぞれの米金利が上昇したほか、3日FOMCの米利上げ観測を後押ししていた感も否めない。
最後3つ目は、いわゆる「米債務上限」問題で、イエレン財務長官は連邦債務の特別会計を早ければ6月初旬に使い切る可能性があることに言及したうえで、デフォルトリスクを指摘したとして一部で話題に。そののち、米ホワイトハウスは同問題について、バイデン大統領が共和党のマッカーシー下院議長に電話し、9日に会談することを呼びかけたと発表している。引き続き動静には注目だ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場、東京時間には137円前後に位置する移動平均の200日線が抵抗となり上値が抑制されたものの、そののち上抜け。NYクローズでも超えているうえ、本日東京時間も137円を一度も割り込むことなく推移している。短期的にはさすがに上げ過ぎの域に到達しており、FOMCを前にした調整の動きも気になるが、リスクそのものはドル高方向にバイアス。年初来高値137.91円を意識した動きが続く可能性がある。
注目材料目白押しの一週間のなか、市場筋のあいだでは明日の米FOMCがまずは注視されている。一抹の不安もあった「米ファースト・リパブリック」問題だったが、前述したように売却先も決定し、また株式など金融市場もおおむね好感しているようだ。米金融政策に影響を及ぼす公算は極めて低いと現段階では考えられている。本日も発表される米経済指標次第で一喜一憂する展開は否定できないものの、本格的な動意となるとやはり明日の米FOMC後になりそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は200日線超えたのちも続伸し、本日東京では一時137.75-80円。年初来高値137.91円まであと数十ポイントと、名実ともに意識していることは間違いない。調整の動きにも要注意だが、基本的なリスクはドル高方向で、仮に年初来高値を超えてしまうとフィボナッチポイントにあたる139円半ばが次のターゲットとして意識されかねないだろう。
本日は米経済指標として、3月の製造業受注指数や同耐久財受注確報が発表される予定となっている。前述したように、昨日は発表されたISM指数が良好でドルの買い要因となっていただけに、本日も同様の展開などには要注意だ。また、発表される米欧の企業決算などにも引き続き注意を要したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.90-138.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値の137.75-80円、そして137.91円の攻防に注目。超えれば昨年12月以来の138円台乗せか。
対するドル安・円高方向は、昨日「しっかり」と上回ったのちは一度も下回っていない137円レベルが最初のサポート。かなり底堅いイメージもあるが、ポジションの偏りからすると崩れると意外に下値は脆いかもしれない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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