200日線超えられず、調整先行の可能性も(2023/5/1)

週明け1日の東京市場はドルが大幅続伸。とくに夕方に掛けて上値を大きく拡大させている。

200日線超えられず、調整先行の可能性も(2023/5/1)

200日線超えられず、調整先行の可能性も

〇本日のドル円、夕方には137円直前を示現、16時現在ドル高値圏136.85-90で推移し欧米市場を迎える
〇リスクは引き続きドル高方向にバイアスだが、若干の行き過ぎを懸念する声も
〇先週末安値から短時間で3.5円程のドル高進行を辿っており、200日線突破前に調整の動きも予想される
〇本日は米経済指標として、4月製造業PMI確報やISM製造業景況指数が発表予定
〇ドル高円安方向は137円レベルをめぐる攻防に注目。超えると薄っすらとだが年初来高値も視界内
〇ドル安円高方向は136円レベルが最初のサポート。大崩れするイメージは乏しく、ドルは底堅く推移か
〇欧米時間のドル/円予想レンジは136.10-137.30

<< 東京市場の動き >>

週明け1日の東京市場はドルが大幅続伸。とくに夕方に掛けて上値を大きく拡大させている。

先週末は、ロイターが「米ファースト・リパブリック銀、公的管理下に置かれる可能性」と報じ物議を醸すなか、先週実施された米韓首脳会談における「ワシントン宣言」などに対し北朝鮮が猛烈な反発姿勢をみせていた。
そうした状況下、ドル/円は136.25-30円で寄り付いたものの、中国市場などが休場となったこともあり売買はやや手控え気味。しかし、薄商いのなかドルは上値を拡大させ、夕方には137円直前を示現している。16時現在ではそのままドルの高値圏、136.85-90円で推移し欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融不安など」と「中国情勢」について。
前者は、依然として一部で取り沙汰される米金融不安に対し、米連邦預金保険公社(FDIC)が、先月経営破綻したシグネチャー銀行などの監督・規制をめぐる報告書を発表。そのなかで破綻の要因は「リスク管理をほとんど考慮しない『不十分な経営』と『急速で無制限な事業拡大』の追求が原因だった」と指摘、固有の原因にあるとの見方を示していた。一方、それとは別に前述した「米ファースト・リパブリック銀、公的管理下に置かれる可能性」が取り沙汰されるなか、FDICはJPモルガン・チェースなどの銀行に対し「ファースト・リパブリック入札で4月30日までに最終案を提出するよう求めた」と伝えられている。このあとも続報には要注意だ。

対して後者は、フィリピン当局が「南シナ海に中国船100隻以上の集結を確認」とし懸念を示すなか、米国務省は、南シナ海における「フィリピン船舶への『挑発行為』をやめるよう中国に求めた』ことを明らかにしている。また、日本の防衛省も「中国無人機、台湾と与那国島のあいだを通過し東シナ海に抜けた」と発表、自衛隊機がスクランブルで対応したという。そうしたなか、米太平洋空軍のウィルズバック司令官は、インド太平洋地域で中国軍機による米同盟国の航空機への異常接近が頻発していると明らかにし、状況を憂慮していた。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末に一時136.56円と、大きくドル高・円安が進行したドル/円相場だが、本日東京時間にドルはさらに続伸。137円直前まで値を上げる局面も観測されていた。結果として、同レベルに位置する移動平均の200日線に上値を阻まれた格好だがドルの下値も堅い。基本的なリスクは引き続き上方向にバイアスがかかりそう。200日線を超えれば137.91円の年初来高値が名実ともに視界内に捉えられそうだ。
今週は注目材料目白押しの一週間だが、そのなかでもとくに米欧中銀の政策金利発表が注視されている。ちなみに2-3日の米FOMCと4日のECB理事会、米欧とも利上げを実施するとの見方が有力だが、前者については先でも取り上げた「米ファースト・リパブリック」問題の行方によっては利上げが見送られるとの見方も聞かれるうえ、利上げが実施された場合でも今度は「利上げ打ち止め」観測が台頭する可能性が取り沙汰されていた。ともかく、まずは3日の米FOMCをしっかりと見極めたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間に一時137円レベルまで上昇。リスクは引き続きドル高方向で間違いないものの、200日線に上値を抑制されたうえ、ポジションの偏りがやや気掛かりか。実際、後者は先週末安値からごく短時間で3.5円ほどのドル高進行をたどっており、若干の行き過ぎを懸念する声も聞かれていた。200日線突破を前に一度底堅め、調整の動きを予想する声も少なくない。
本日は米経済指標として、4月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数が発表される予定となっている。また発表される米国企業決算や、現段階で結果が明らかになっていない先の「米ファースト・リパブリック売却先」問題にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.10-137.30円。ドル高・円安方向は本日東京で超えられなかった137円レベルをめぐる攻防にまずは注目。超えると薄っすらとだが年初来高値も視界内に。
対するドル安・円高方向は、先週末に上抜けたあと、「しっかり」と下回ってはいない136円レベルが最初のサポート。ただ、下回ったからと言って大崩れするイメージは乏しく、ドルは底堅く推移か。

200日線超えられず、調整先行の可能性も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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