ドル円、米ISM製造業指数の力強い結果を受けて、約2ヵ月ぶり高値圏へと急上昇
〇ドル円、米4月ISM製造業景況指数の上振れや米長期金利の上昇に高値137.54まで急伸
〇米ファースト・リパブリック・バンクが経営破綻とJPモルガン・チェース資産預金買収の影響は限定的
〇ユーロドル、欧州市場休場の中、米金利上昇等に1.0964まで急落
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強く、ファンダメンタルズも日米金利差拡大観測等がサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:136.75ー138.25
海外時間のレビュー
週明け1日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値136.20まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)前週末金曜日以降のドル買い・円売りの流れの継続(ハト派な日銀金融政策決定会合+市場予想を上回る米3月PCEコアデフレータの組み合わせ→日米金利差拡大)や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)米4月ISM製造業景況指数(結果47.1、予想46.8)の市場予想を上回る結果、(4)米4月ISM支払価格(結果53.2、予想49.0)の市場予想を上回る結果、(5)上記3、4を背景とした米長期金利の急上昇が支援材料となり、米国時間午後にかけて、3/8以来、約2ヵ月ぶり高値となる137.54まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/2午前5時15分現在)では、137.49前後で推移しております。尚、昨日は米ファースト・リパブリック・バンクが経営破綻すると共に、米JPモルガン・チェースが同行の預金と資産を買収することが明らかとなりましたが、為替市場の反応は限定的となりました。
週明け1日(月)のユーロドル相場は反落。欧州市場休場(メーデー)の影響で市場参加者に乏しい中、米国時間朝方にかけて、高値1.1035まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)米4月ISM製造業景況指数の市場予想を上回る結果や、(2)米4月ISM支払価格の市場予想を上回る結果、(3)上記1、2を背景とした米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0964まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/2午前5時15分現在)では、1.0974前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は3/24に記録した安値129.65をボトムに反発に転じると、昨日は約2カ月ぶり高値となる137.54(3/8以来の高値圏)まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み上抜けしたこと(昨日は最後の関門として市場参加者に意識されていた200日移動平均線を上方ブレイク)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利下げ観測の後退(先週末金曜日に発表された米3月PCEコアデフレータや米1ー3月期雇用コスト指数が上振れしたことに加えて、昨日発表された米4月ISM製造業景況指数や米4月ISM支払価格も市場予想を上回る結果→年内利下げ観測の後退→米長期金利急上昇→米ドル買い)や、
(2)日銀による金融緩和の早期修正観測の後退(先週末金曜日に開催された日銀金融政策決定会合で金融緩和の修正が見送られると共に、植田日銀総裁は金融緩和の継続スタンスを強調→円売り再開)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大観測(円キャリートレード再開の思惑)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(目先は3/8に記録した年初来高値137.92を試すシナリオを想定)。尚、本日は米3月製造業受注指数(23:00)、米3月耐久財受注(23:00)、米3月JOLT雇用動態調査(23:00)に注目が集まります。
本日の予想レンジ:136.75ー138.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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