日米欧の金融政策注目も方向性は出にくそう
〇本日のドル円、方向性乏しくわずか40ポイントほどのレンジ内での一進一退
〇先週形成した1.6円レンジを一時底割れるもドル安が加速することはなく、再び元のレンジへと回帰
〇ドルの下値リスクが若干高まった感があるものの、ドルは底堅く推移するか
〇ドル高円安方向は本日東京高値を含めた133円台後半が最初の抵抗。超えると134円半ばが意識される
〇ドル安円高方向、昨日安値133.37巡る攻防に注目。少し下の21日線も下回ると4/14以来の132円台へ
〇欧米時間のドル/円予想レンジは133.00-134.20
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場はレンジ取引。わずか40ポイントほどのレンジ内での一進一退で、方向性も乏しかった。
ドル/円は133.70円レベルで寄り付いたものの、週末の日銀会合など次の材料待ちで積極的な動意はほぼ手控えられた。本日も、途中で植田日銀総裁からの発言「円安によるインフレの高まり、可能性は極めて低い」−−などが伝えられたが影響力は限られ、133円後半を中心としたわずか40ポイントほどのレンジ取引に終始。16時現在では133.65-70円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米大統領選」と「ロシア情勢」について。
前者は、バイデン米大統領が、再選を目指し2024年11月の次期米大統領選に出馬する考えを正式表明したことが話題に。
一方で、政権奪還を目指す野党共和党ではトランプ前大統領らがすでに名乗りを上げており、前回同様「民主党バイデンvs共和党トランプ」の戦いとなる可能性もありそうだ。ただしロイターによると、米世論調査の結果では「80歳のバイデン氏は高齢のため出馬すべきでないとの回答が民主党支持者の約半分を占めた」とされるうえ、「国民の約3分の2がトランプ前大統領も再出馬すべきでないと考えていることが明らかになった」という。決着までまだ1年以上の時間を有するなか、果たして如何なる動きをたどるのか、注意深く見守りたい。
対して後者は、ラブロフ外相による「黒海穀物合意めぐる状況は暗礁に乗り上げた」、メドベージェフ前大統領の「ロシアは最初に核兵器を使用する可能性がある」など、西側諸国に揺さぶりをかける発言が相次ぎ聞かれたほか、タス通信は「ロシアが短中距離核ミサイル禁止条約からも脱退する可能性がある」と報じていた。そうしたなか、ロシア外相は肥料と食料の輸出促進に「成果はない」と不満を示したうえで、国際決済のネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」に復帰させるよう求めた発言も別途聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週形成した1.6円レンジを一時底割れ。しかし、ドル安が加速することはなく、再び元のレンジへと回帰してきた。予想とは裏腹に、ドルの下値リスクが若干高まった感があるものの、移動平均などのテクニカルポイントが集中する132円半ばから133円レベルは引き続き底堅そうな雰囲気だ。昨日の動きはレンジを下方向に幾分広げただけで、レンジ取引そのものはまだしばらく続く可能性もある。
今週末の日銀会合に続き、来週の米FOMCそして翌日のECB理事会と、喫緊に予定されている日米欧の金融政策発表が市場の関心事となっていることは間違いない。そうしたなか昨日は米金利の低下が嫌気され、ドル売りに繋がったが本日は如何に。もちろん油断は禁物だが、基本的には前記したような材料を控えて全般的に値幅は出にくい展開か。たとえば昨日安値を一時下回ったとしても、ドルは底堅く推移しそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末安値133.55円を一時下回るも、さらなるドル安は進行せず。移動平均では133.10円レベルに位置し、緩やかな上昇をたどる21日線をめぐる攻防が注視されている。今後もドルのサポートとして寄与するのだろうか注目だ。
それに対して一目均衡表では、先行帯の雲の上限がレベルをジワリと切り下げているのだが、歩調を合わせドルは上値を切り下げるとの弱気派の見方が取り沙汰されていた。
本日は米経済指標として、3月の耐久財受注速報などが発表される予定となっている。そのほか別途予定されている米企業の決算発表も波乱要因であるほか、開催される米韓首脳会談そして会談を受けた中国や北朝鮮の反応などにも一応の注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.00-134.20円。ドル高・円安方向は本日東京高値を含めた133円台後半が最初の抵抗。超えると134円半ばが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の133.37円をめぐる攻防にまずは注目。その少し下には21日線が位置している。それも下回ると14日以来の132円台へ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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