方向性乏しい、欧州金融政策にも要注意(4/25夕)

25日の東京市場は基本揉み合い。134円台前半を中心とした一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

方向性乏しい、欧州金融政策にも要注意(4/25夕)

方向性乏しい、欧州金融政策にも要注意

〇ドル円、134円台前半を中心とした一進一退で明確な方向性なく、先週形成した1.6円レンジに留まる
〇ユーロ/円、2014年以来8年4ヵ月ぶり高値をつける局面が観測
〇今週末の日銀会合、来週の米FOMCとともに、来月4日のECB理事会も市場の注目を集める
〇本日は米経済指標として、4月リッチモンド連銀製造業指数や消費者信頼感指数などが発表予定
〇ドル高円安方向は昨日高値134.73が最初の抵抗、超えると4/19高値135.14が再び視界内
〇ドル安円高方向は、本日東京安値134円レベル、昨日安値133.90めぐる攻防に注目
〇欧米時間のドル/円予想レンジは133.60-134.80

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は基本揉み合い。134円台前半を中心とした一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円は134.20-25円で寄り付いたのち、ドルがやや冴えない。134円割れをワンタッチするも続かず、その後は134円前半を中心としたレンジ取引に。終日を通した値動きは40ポイント強にとどまっている。ただ最終盤にやや買われた結果、16時現在では134.40-45円で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、前日に続き植田日銀総裁の発言が伝えられたが、内容的には「現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)による金融緩和の継続が適当」といったもので、新味に乏しい。

一方、材料的に注視されていたものは「欧州金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、来週2-3日に開催される米FOMCに続き実施される4日のECB理事会が市場で話題となっている。全体としては「0.25%の利上げ実施」見通しがやや優勢ではあるものの、「据え置き見通し」観測なども決して少なくない。

そうしたなか昨日は、シュナーベル専務理事が「ECBは利上げを継続する必要がある」としたうえで、「0.5%利上げの可能性も排除しない」としたかなりのタカ派発言。またアイルランド中銀総裁も「ECBが金融引き締めの一時停止を計画し始めるのは時期尚早」と述べたとされる反面、フランス中銀総裁は「インフレ抑制に向けた利上げをすでにほぼ完了した」との弱気コメントを発していた。

対して後者は、幾つかのロシア情勢が話題に。うちひとつは国連事務総長がラブロフ外相と会談し、黒海を通じたウクライナ産穀物輸出の停滞に懸念を表明するなか、ラブロフ氏は改めて協議打ち切りの可能性を示唆したこと。また、ロシアは今月の国連安保理議長国であることから、主催した会合・国際的な舞台でウクライナ侵攻を正当化するとともに、「欧米が憲章の原則に反して利己的で排他的」などとする持論を延々と30分近く演説したことも物議を醸すとともに批判を集めていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週形成した1.6円レンジに依然としてとどまったまま。先週135円台定着に失敗した反面、移動平均などのテクニカルポイントが集中する132円半ばから133円レベルはかなり底堅そうな雰囲気。つまり、本日東京で推移した134円台などはかなり居心地が良いと言えるのかもしれない。予断を許さないが、日銀会合など今週末以降に予定されている次の材料をにらみ、いましばらくレンジ取引が続く可能性もある。

今週末の日銀会合、来週の米FOMCに対する市場の関心が高いなか、ここにきて別途来月4日のECB理事会も注目を集めている。実際、日欧金利差拡大観測もあり、ユーロ/円が2014年以来8年4ヵ月ぶり高値をつける局面が観測されるなど、引き続き値動きなどをしっかりと注視しておきたい。米国とともに、発表されるドイツや欧州の経済指標や通貨当局者の発言が場合によっては波乱要因に。

テクニカルに見た場合、ドル/円は底堅いものの上値も重く、134円台を中心とした強保ち合いの様相。敢えてリスクを取り沙汰するならドル高方向にバイアスをかけたいが、目先135円をクリアに超えていく展開は予想しにくい。基本は134円台などを中心に方向性に欠ける値動きがいましばらく続きそうだ。ただ上方向なら135円、対して下方向なら132円半ばを明確に下回ると、その限りではなく新ステージ入りか。

本日は米経済指標として、4月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数などが発表される予定となっている。昨日発表された指標は好悪まちまちで決め手に欠けたものの、本日も米指標内容には十分に注意を払いたい。また、それとは別に米企業の結果発表なども要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.60-134.80円。ドル高・円安方向は昨日高値の134.73円が最初の抵抗。超えると19日高値135.14円が再び視界内に入りそう。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の134円レベル、そして昨日安値133.90円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると先週末安値133.55円がターゲットとなる。

方向性乏しい、欧州金融政策にも要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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