東京市場のドルは雲上限での小動き、市場の関心は強いトレンドのユーロとスイスフラン
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、134円台での小動きとなった。米ファースト・リパブリック・バンク(FRCバンク)の予想以上の預金流出が伝わったことなどから、米景気に対する警戒が意識され、米2年債利回りは4.08%台まで低下。ドルはやや弱い動きとなった。
東京市場でもこの流れは変わらず、134円台を維持したものの、日足の一目均衡表の雲上限(134円22銭)水準でのもみ合い相場となった。様子見ムードが強いドルとは異なり、欧州通貨は対円、対ドルで上昇。昨日発表されたドイツ景気指数が予想を上回ったほか、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)理事が「来週の会合で0.5%の利上げを排除することはできない」とタカ派の発言を行ったことなどから、ユーロは148円台と8年ぶりの水準まで買われた。また、日銀が現状の金融政策を維持するとの見通しから、スイスフランも対円で40年超ぶりの151円台まで上昇した。
なお、ドル同様、日経平均も方向感の乏しい展開が継続。年初来高値圏で続伸はしたものの、日米金融政策発表前に積極的なポジション取りは手控えられ、買い一巡後は上げ幅をじりじりと縮める格好となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:134円12銭
高値:134円41銭
安値:134円01銭
終値:134円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:148円21銭
高値:148円62銭
安値:148円16銭
終値:148円27銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:89円86銭
高値:90円03銭
安値:89円53銭
終値:89円61銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:167円54銭
高値:167円96銭
安値:167円49銭
終値:167円54銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:28697円73銭
高値:28806円69銭
安値:28609円77銭
終値:28620円07銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
22時00分、米、ケース・シラー住宅価格指数(前年比)、前回:2.5%、市場予想:0.0%
23時00分、米、リッチモンド連銀製造業指数、前回:−5.0
23時00分、米、新築住宅販売件数、前回:64.0万件、市場予想:63.5万件
23時00分、米、コンファレンスボード消費者信頼感指数、前回:104.2、市場予想:104.4
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、拡大するバンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発したが、拡大し始めたバンド上限の+2σ手前で買い一服となっている。
日足の一目均衡表の雲上限(134円09銭)に絡んでのもみ合いとなっており、方向感は乏しい。下値は徐々に切り上げているものの、日中の値幅は小さく、上値も重い。日米金融政策発表を前に保ち合いを形成している。ドル・インデックスも引き続き102手前で推移しており、様子見ムードが強い。
値動きが乏しいドルとは対照的に、対円、対ドルでも欧州通貨は買い優勢となっている。ユーロは金利先高感期待、スイスフランは円以上に安心な逃避先との見方がそれぞれ強まっている。米FRCバンクのネガティブなニュースで米金融システムに対する懐疑的な見方がやや再燃したことも、欧州に目が向かった要因と考える。
ただ、クレディ・スイスのAT1債の問題は完全には払しょくされていないことなどから、ユーロ及びスイスフランの上値も徐々に重くなるだろう。ユーロ・円は、目先のターゲットでもある150円を達成したタイミングで上げ一服か。
今晩の海外市場も引き続きドルは小動きとなりそうだ。4月27日−28日の日銀金融政策決定会合を終えても、5月2日−3日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えていることから、積極的なドル買いもしくはドル売りは手控えられよう。動きが乏しいドルよりも、トレンドが発生しており、もう少し上値が狙えるかもしれない欧州通貨に投資家の目は向かっている。今晩も、現レンジでの小動きを想定。本日の上値メドは、本日の高値水準より少し上の134円50銭、下値メドは昨日安値水準の133円89銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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