ドルの上値はやはり重そう、仕切り直しの感
〇本日のドル円、134.20-25で寄りつくも、一時週間安値である133.70レベルまで下落する局面も
〇昨日発表された米経済指標がおおむね下振れ、予想を裏切る結果となりドル安要因となったか
〇ドル円は小反落へと転じドルの上値トライはダマシに終わる、一旦は様子見かつ仕切り直しの様子
〇発表される米経済指標などには要注意、本日は4月製造業・非製造業PMI速報値などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.40-134.70、ドル高・円安方向は134.40レベルに弱い抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値133.70レベルが最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場はドルが弱含み。一時週間安値である133.70円レベルまで下落する局面も観測されていた。
ドル/円は134.20-25円で寄り付いたのち、134円台で底堅く推移。しかし、発表された日本の物価指標などに一喜一憂しつつ底割れすると、緩やかな右肩下がり。夕方には133.70円レベルと、週間安値に面合わせする局面も観測されている。16時現在では、結局そのままドルの安値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「米中関係」について。
前者は、発表された複数の米経済指標がおおむね下振れ。予想を裏切る結果となったものが多くドル安要因として取り沙汰されるなか、クリーブランド連銀総裁から「金融引き締めは終盤」との発言が聞かれたほか、アトランタ連銀総裁も改めて「1回の追加利上げ実施後は休止が望ましい」と指摘していたようだ。その反面、フィラデルフィア連銀総裁からは「多少の追加的な引き締めが必要となるかもしれない」とのコメントが聞かれたが、ドル売りの流れに埋没してしまった。
対して後者は、米ホワイトハウスから「米仏首脳が電話会談し台湾問題を協議」と発表されたほか、バイデン氏は欧州委員長とも電話会談を行い、先日の委員長訪中をめぐり意見交換を実施したという。そうしたなか、イエレン米財務長官からは「適切な時期に訪中し経済問題をめぐり対話を行う」などとした関係改善を強く意識した声も聞かれたが、ブルームバーグは「バイデン氏、対中投資抑制策を広島G7サミット前に公表すること望む」と伝えていた。一筋縄ではいかないようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、19日に一時135円台まで値を上げたものの定着できずにドルは小反落へと転じている。案の定というべきなのか、結果としてドルの上値トライは今回も「ダマシ」に終わった格好だ。ただし、このままドルが大幅に続落、下落トレンドに戻るなどといった見方をする向きは現状少数派。一旦は様子見かつ仕切り直しで、次の方向性をしっかりと見極めたいところだ。
米金融政策への関心は依然として高く、次回5月初めのFOMCへの警戒感も強いことは間違いない。そうした意味では本日も発表される米経済指標などには要注意。発表される指標内容に一喜一憂する展開が見込まれている。またその一方、日本の金融政策も注視されており、先で取り上げた米FOMC前、来週27-28日に実施される植田新総裁のもと初めての実施される日銀決定会合を注視している向きもある。日本についてもしばらくは様々な思惑が飛び交いそうで、それを受け市場は右往左往する局面も。
テクニカルに見た場合、ドル/円は19日に一時上抜いた一目均衡表の先行帯の雲の上限をわずか一日で下回る展開。やはりオファーの厚い135円レベルからは上では頭も重く、定着は容易でなかったようだ。とは言え、一目の雲の上限は今後さらにレベルを切り下げる展開が見込まれており、月末には133円前半ぐらいまで水準が下がってくる。そのため、一連の流れのなかでドルは雲を名実ともに上抜けるとともに、ドル高再燃を見込む強気派の声も聞かれていた。
本日は米経済指標として、4月の製造業や非製造業のPMI速報値が発表される予定となっている。ちなみに、この指標は米国だけでなく英国やドイツ、ユーロ圏などでも発表されることから、それらも合わせて注意しておきたい。また、米企業決算発表などにも要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.40-134.70円。ドル高・円安方向は134.40円レベルに弱い抵抗あり。超えると昨日高値134.97円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今週安値に面合わせした本日東京安値133.70円レベルが最初のサポート。下回ると133円前後がターゲットで、21日線なども薄っすら視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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