抵抗上抜け、ドルの続伸期待高まる
〇本日のドル円、大きな動きは観測されず、133.25-70といった50ポイントに満たないレンジ取引に終始
〇昨日実施された日銀新総裁の会見、現行の大規模緩和を当面維持する姿勢を改めて表明
〇昨日ドル/円は133.87まで上昇、4/3高値133.75を抜け、132円台に位置する抵抗を上抜ける
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.30-133.70
〇ドル高・円安方向は133.70レベル、133.87などが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は132.85-90、132.20-25などをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場はレンジ取引。133円半ばを挟んでの上下50ポイント程度で一進一退をたどっている。
ドル/円は133.60円前後で寄り付いたものの、全般的に動意は鈍い。豪州や香港などは休場明けとなり、積極的な売買が期待されていたが、結局大きな動きは観測されなかった。133.25-70円といった50ポイントにも満たないレンジ取引に終始。16時現在では133.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなか暗号資産ビットコインは大きく上昇。一時10ヵ月ぶりとなる3万ドル台を記録する局面も。
一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、昨日欧州時間に実施された就任記者会見で植田日銀新総裁が「現行の大規模緩和を当面維持する姿勢」を改めて表明。また、政府と日銀が定める共同声明に関して「直ちに見直す必要はない」とも述べていた。ほぼ予定通りではあるものの、市場では金利差などに着目し、円売り要因として認識されていた。一方、米国は7日に発表された米雇用統計の好数字もあり、米金利の先高観が強まる格好に。先の植田発言などとあわせ、一段のドル買い・円売りを後押ししていたようだ。
対して後者は、中国軍が3日に及ぶ「台湾包囲演習」を成功裏に完了させたが、台湾国防部によると一部は依然として周辺にとどまり威嚇を続けているもよう。それに対して、米国からは「中国軍事演習は台湾海峡の安定損なう」などとし、自制を促すコメントが聞かれたものの、ここまでさしたる効果はない。なお、昨日報じた訪中したのちの仏大統領による「親中」発言について、ロイターは、「中国に配慮し過ぎた発言だとして欧米各国の議員から批判が出た」と報じていた。このあと来週にかけて、G7外相会合などの日程が組まれていることから、問題視される可能性もある。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日ドル/円は133.87円まで上昇。3日に記録した高値133.75円を一時上抜けるも、しっかり抜けたとはいえないところが若干気掛かり。テクニカルにも先週末に超えられなかった移動平均の21日線や90日線などを上抜け、ドル高方向へのリスクが拡大したようにみえるものの、3日と昨日でダブルトップを形成し、軟落を見込む弱気派の声も聞かれていた。そうした思惑払しょくのためにも、昨日高値を早々に超えたいところだ。
日米金融政策が注目を集めるなか、日本については前述したように、植田日銀新総裁が「現行の大規模緩和を当面維持する姿勢」を改めて表明。円を積極的に買いにくい環境であることが改めて示された。一方、米国は3月の消費者物価指数をはじめとする発表される米経済指標の内容にまずは要注意。ただ、本日に限れば注目度の高い米指標の発表は予定されていないことから、基本は小動き。米金利情勢などに一喜一憂する展開を見込む向きが多い。
テクニカルに見た場合、昨日のドル/円は移動平均の21日線など132円台に位置する抵抗を次々と上抜け。それもザラ場だけでなく、NYクローズでも上回って大引けた。ドルの上値展望が広がった感がある。ただ、134円台に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限は超えられず、今後も抵抗として寄与するようだと再びドルの下値リスクが強まる可能性もある。いま少し状況を見極めたいところだ。
本日は米経済指標として、3月のNFIB中小企業楽観指数などが発表される予定となっているものの、正直市場の関心はそれほど高くない。基本的にはノーインパクトか。それ以外でも本日材料は全体的に少なめだが、休場明けでマーケットに厚みが戻ることから投機筋の仕掛けなどには一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.30-133.70円。ドル高・円安方向は東京高値の133.70円レベル、そして昨日高値の133.87円などが最初の抵抗。抜けると134円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜けた90日線が位置する132.85-90円、そして同21日線が位置する132.20-25円などをめぐる攻防に注目。下抜ければ再び131円台突入もありそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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